成長することは子供や若者の“専売特許”ではない。歳を重ねて大人と呼ばれる年齢になっても、成長を続けることはできる。とくに、1日の大半を費やす仕事は、向き合い方や視点を変えるだけでも自らの成長につなげられるだろう。化粧品会社の事務や着付け講師、編集者など多種多様な職業を経験してきた著者が、仕事をおもしろくする方法を伝授する。※本稿は、有川真由美『30歳でも大人な人 50歳でも子供な人―人間関係も仕事も全部うまくいく大人になる97の方法』(興陽館)の一部を抜粋・編集したものです。
仕事は「面白いもの」ではなく
自分で「面白くするもの」
ある編集者が、仕事ができる人について、こんなふうに言ったことがありました。
「仕事ができる人って大抵、仕事が遅いんです。いつもギリギリか、ちょっと遅れるか。最後の最後までもっとよくしようって妥協しないから、そうなるんでしょうね」
それを聞いて、いつもギリギリの私は、少し安心。できる人は仕事が速いと思っていましたが、そうではないよう。出来栄えにこだわりつつ期限を守ろうとする結果が、“ギリギリ”になってしまうのです。
“プロフェッショナル”とは、自分の仕事を「もっといいものにできないか」と探究心をもって、とことん突き詰められる人ではないかと思うのです。
正解もないし、ゴールもないから、どこまでも考え続けてしまうわけです。
一方で、「仕事にそれほど興味をもてない」「お金のためと割り切っている」という人もいます。
私もそう思って働いていた時期もあるので理解できますが、同じ時間を過ごすなら、つまらない時間にするより、積極的に探求してみたほうが、楽しい時間になるのです。
大人の仕事は「面白いもの」ではなく、「面白くするもの」。もの書きであれば、「もっといい内容に」「もっといい表現に」「もっといい流れに」といくらでも深めることができます。どんな仕事も真剣に取り組むほど、面白くなっていくのです。
趣味でも料理でも読書でも、そんなに好きではなかったことが、ちゃんとやってみようと向き合ううちに面白さがわかって、好きになるのはよくあることです。
気が進まないときは、まずはともかく丁寧に作業をしてみるといいでしょう。
大人は脳を騙すのも得意。ゆっくり丁寧にやろうとすれば、自然に心がこもり、いつの間にか夢中になっているはずですから。