「中間管理職の悩みが消えた」
「ハラスメントに配慮して働けるようになった」

そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

メール1通だけでバレる。仕事ができない上司の特徴・ワースト3Photo: Adobe Stock

仕事ができない上司の特徴

 ビジネスの現場において、メールはその人の「思考の質」や「段取り力」を如実に表すツールです。

 とくに上司の立場にある人が送るメールは、部下や他部署との信頼関係を築くうえでも重要です。

 今回は、たった1通のメールから見抜けてしまう「仕事ができない上司」の特徴・ワースト3を紹介します。

ワースト3:CCやTOの設定が雑

 メールでありがちな問題が、宛先の設定ミス。

・重要なメンバーが入っていない
・関係のない人までCCに入れている
・TOとCCの区別ができていない

 これらはすべて、利害関係の把握や関係者コントロールができていない証拠です
「誰に、何を、どこまで共有すべきか」を考えられない上司は、チーム全体の信頼を損ないます。

ワースト2:一文が長く、言いたいことが不明確

「とりあえず全文読めば伝わるだろう」と言わんばかりに、主語と述語がつながらない長文メールを送る上司がいます。

 そのメールには、具体的な要点が書かれておらず、結局「で、何をすればいいの?」と部下が混乱するだけです

 一方、できる上司のメールは以下のように整理されています。

・要点を最初に書く(結論→理由の順)
・箇条書きで視認性を上げる
・「確認してほしいポイント」を明示する

「メールの構成力=思考の構造化力」です。

ワースト1:件名が抽象的 or 空白

 件名が「相談です」「お願いがあります」「○○について」などの曖昧なタイトルでは、受け取る側は内容の見当がつきません。

 また、件名が空白のままだと、検索性が悪く、後から自分も相手も探しづらくなります。

 仕事ができる上司は、メールの段階で相手の思考負荷を下げる工夫をします

 たとえば、「【確認依頼】10/22会議の資料ドラフトについて」など、目的と中身が一目でわかる件名にします。

「1通のメール」で、その人の本質は伝わってしまう

 仕事ができない上司ほど、メールが雑です。
 そして、その雑さはメールを受け取るメンバーにとって、「この人は任せると危ない」というサインになります。

 逆に言えば、上司が送るメール1通にこそ、リーダーの矜持が宿るのです。
「細かい」と思われるかもしれませんが、細部に気を配ることが、信頼と成果を生む土台になります

 リーダーは仮面をかぶりましょう。
 メール1通で信頼を落とさぬよう、「見られている意識」を忘れない仮面を。

(本稿は、リーダーの仮面の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計178万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。