「be動詞も知らない男」が32歳から英語を学んでグラミー受賞!繰り返し解いた「青色の問題集」とは?Photo:recep-bg/gettyimages

32歳にして“be動詞すら知らなかった”男が、世界へと羽ばたくために選んだのは、机に向かうことだけではなかった。スマホの設定から日常生活まで、すべてを英語に染めて挑んだ“英語漬け”の実践とは。アルバム「SAKURA」を一人で作曲し、2023年の第65回グラミー賞で最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した作曲家・宅見将典が語る、語学を通して見つけた“表現力を磨く方法”。※本稿は、宅見将典『人脈ゼロ英語力ゼロ 無名のバンドマン、グラミー賞を獲る 途方もない夢の叶え方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

be動詞もわからない32歳が
英語を身に着けるためにまず始めたこと

 英語を身につける!思い立ったこのとき32歳。しかも学生時代、勉強らしい勉強はほとんどしていない。“By the way”や“Pardon?”くらいは覚えていたけれど、be動詞も知らないというありさまだった。

 そんなわけで、英語の習得は簡単ではないだろう、かなりの長期戦になることは織り込み済みだった。子どもであっても2、3歳からだんだん言葉を覚えて、10歳ぐらいである程度話せるようになる。短期間で身につくとうたうさまざまなメソッドがあるが、現実的とは思えず、そういう教材には手を出さなかった。

 とはいえ、のんびりやっているわけにはいかない。焦らないで急ぐ必要がある。夢の実現のために英語は最低限のラインであって、最重要の課題だった。

 さて、ほとんど英語力ゼロだった僕がまず考えたのは、自分をスパルタ気味に英語漬けにする、ということだった。日本にいる限り意識しないとまったく英語に触れないまま暮らせてしまう。

 初めてグラミー賞を見たロスから帰国すると、まず、iPhoneとMacの言語設定を英語に変えた。スマホは1日に何度も手にするし、仕事はパソコンを使っていたから、否が応でも英語が目に飛び込んでくる。