いくらもらえるの?

 特別児童扶養手当は、精神や身体に障害がある20歳未満の子どもを養育している親などを対象に支給される手当です。

対象者
1級:おおむね身体障害者手帳1級・2級、療育手帳A判定程度の障害がある子ども
2級:おおむね身体障害者手帳3級、療育手帳B判定程度の障害がある子ども

 判断基準は自治体ごとに異なります

 似ている診断でも自治体Aでは取得できなかったが、自治体Bでは取得できたという例がまれにあります。ですので、周りの経験者や医師の話で判断するのではなく、申請してみないとわからないのが現状です。まずは申請することが大切です。更新は毎年で、子どもの発達具合によっては支給停止になることもあります。

支給額(2025年度時点)
1級:月額5万6800円
2級:月額3万7830円

所得制限がある

 注意点として、この手当には所得制限があります。子どもが1人(扶養家族1人)だった場合は、所得497万6000円以上で、支給停止になります。

 特別児童扶養手当の所得制限は「世帯年収」ではなく、「世帯で年収が高い人の年収」で判定されます。ちなみに所得497万6000円の人は、年収に直すと約686万円になります。

 所得が1円でも超えてしまうと、年間約45万円(2級の場合)の非課税収入が入ってこなくなるので、所得制限は覚えておいたほうがいいでしょう。また先ほどお伝えしたとおり、所得制限は世帯年収ではなく、世帯で年収の高い人が基準になることも要注意です。

 例えば、次の2つの家庭を比べてみます。

・支給される家庭
 世帯年収1200万円 (内訳:夫の年収600万円、妻の年収600万円

・支給されない家庭
 世帯年収900万円 (内訳:夫の年収900万円、妻の年収0

 このように世帯年収が共働き世帯より少なかったとしても、家族の中で最も年収の高い人の数字で判定されてしまいます。正直、納得いかないご家庭も多いですよね。アップデートが必要な制度だと個人的には考えています。

 特別児童扶養手当の所得判定のための所得は、通常の所得計算とは異なります。ですので、FPなどの専門家に依頼するか、役所で直接確認すると確実です。

 その他にも、発達障害の子どもが受け取れるかもしれないお金に「障害児福祉手当」「特別支援教育就学奨励費」「放課後等デイサービスの利用者負担上限額」「東京都重度心身障害者手当」などがあります。気になる人は調べてみましょう。

(本記事は、『発達障害かもだけど、お金のこと ちゃんとしたい人の本』から一部抜粋・編集したものです。)