写真はイメージです Photo:PIXTA
かつては「手抜き」と見られがちだった冷凍食品。しかし近年、その評価が少しずつ変わりつつある。品質の向上に加え、価格や利便性の観点からも注目される今、消費者の意識はどのように変化しているのだろうか。(フリーライター 鎌田和歌)
かつては「手抜き」のイメージ
冷凍食品の消費額は伸びている
冷凍食品がおいしくなっているのではないか。
筆者がこれに気づいたきっかけは、昨年コンビニで冷凍食品の麺商品を購入してからだった。発売開始直後から評判になっていたのは知っていたが、その期待を上回るおいしさだった。
この冷凍食品が何かは後述することとして、近年の冷凍食品にかけられる期待についてまず説明したい。
冷凍食品の売り上げは伸びているそうで、ここ10年で消費額は右肩上がり。2024年は前年比4.4%増の1兆3017億円となったという。大きく伸びたのは業務用商品で家庭用は値上げの影響か前年比2.3%減と2年連続の減少ではあるものの、長期的に見れば順調に伸びている。また、野菜の高騰を受けて冷凍野菜の消費額も伸びているようだ。(参考:日本冷凍食品協会調査)
冷凍食品といえばかつては「手抜き」「便利だが味はそれなり」といったイメージが強く、手の込んだ弁当や自炊が「愛情の証」とされがちな日本では敬遠されることも多かった。かつては、チンして温めるごはんを食卓に並べるなんて……と電子レンジでの調理が手抜きの代名詞のように言われていたのである。
また、手抜きと言われるのを気にせずとも、「味はそれなり」と思われていた時代は長かった。いったんイメージを持つと人はなかなか変えられないものであるだけに、冷凍食品を戦略的に売っていきたい側としては、そのイメージの刷新に苦慮したであろうと思われる。







