話すのに慣れるコツは
いい聞き役を探すこと
話すことに苦手意識のある人が、あまり聞く気のない人や、大勢の人に話を聞いてもらうのは至難の業です。ロールプレイングゲームにたとえれば、武器が「ひのきの棒」しかないのにいきなりラスボスに挑むようなものです。
話すのに慣れるためには、まずはきちんと話を聞いてくれる人に話すのが賢明です。
私も、話すことに対してずっと苦手意識があります。しかしあるとき、私の話を聞いて「面白い」と言ってくれる人と、「話が下手だね」と言う人がいるのに気がつきました。
よく観察していると、「話が面白い」と言ってくれる人はもれなく、私の話をよく聞いてくれる人でした。しっかり聞いてくれるのがわかるので、こちらもリラックスして話せていました。
これに対し、「話が下手だ」と言う人は、あまり時間に余裕がない人でした。私もそれがわかっていたので、余計に簡潔に言おうとしたり、あるいは余計に詳細を言おうとしたりして、結果的に伝わらないことが多かったのです。
そういう経験が重なると、「人は私の話を聞いてくれないんじゃないか」「私の話はつまらないんじゃないか」という思いばかりが浮かんで、緊張してうまく話せなくなります。まずは、きちんと話を聞いてくれる人と話す機会を増やすと良いと思います。
ノリに頼りすぎると
“文字通り”の意味がおろそかに
「きちんと聞いてくれる人」と話すときにも、注意すべきことがあります。それは、「ノリ」や「フィーリング」に頼らずに話すということです。
古くからの友人や、共通の話題が多い仲間、価値観が近い相手との間では、多くの言葉を尽くさなくても、おおよその雰囲気で意思の疎通ができてしまうことがあります。そういう状況は、「ノリが合う」とか「フィーリングが合う」などと言われます。
そういう相手には、ほんの一言二言発しただけで「今、こういう気分なんだな」とわかってもらえたり、少々きつめの冗談を言っても笑い飛ばしてもらえたり、何かキーワードを口にしただけでそれにまつわる思い出やエピソードを想起してもらえたりします。







