川添 愛
「wは2ちゃんねる起源」説が疑問なワケ
字だけで要件を伝えると、相手が「冷たく」感じてしまうという問題がある。そこで、柔らかいニュアンスを伝えるために「(笑)」という表現が生まれたわけだが、この表現が「w」「草生える」ときて、現在は「おハーブが生えますわ」というところまで進化している。今なお変異と増殖を続ける「笑いの表現」に着目する。本稿は、川添愛『言語学バーリ・トゥード Round1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

氷室京介の「俺はいい声じゃない」発言に対するGLAY・TERUの返しが見事すぎた
他人から言われてリアクションに困る言葉の1つに「自己卑下」がある。絶対に肯定できないし、かといって否定するのにも技術が要る「自虐」発言、いったいどうやって返答するのか正解なのか。GLAYのTERUの秀逸な切り返しが参考になるかもしれない。本稿は、川添愛『言語学バーリ・トゥード Round1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

「紅葉がきれいになってきました」義母から嫁にメッセージ「裏の意図」が恐怖しかない
昨今、かなりのスピードで進化しているAI機能。しかしAIがダチョウ倶楽部・上島竜兵のお約束ギャグ「絶対押すなよ!」の真意を完全に理解するのは難しいだろう。なぜならAIはその言葉の文字通りの「意味」ではなく、そこに隠れた発言者の「意図」を理解しなければならないからだ。本稿は、川添愛『言語学バーリ・トゥード Round1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

「頭痛が痛い」「違和感を感じる」「歌を歌う」…重言のセーフとアウトの境界線は?【言語学者が解説】
「違和感を感じる」「合唱を歌う」「馬から落馬する」など、意味の重複する言葉は誤りだと見なされることが多々ある。だが言語学者の筆者曰く、ダメな重言としてよく引き合いに出される「頭痛が痛い」なども、情報量を足すことによって自然な表現になるのだとか。本稿は、川添 愛『言語学バーリ・トゥード Round 2: 言語版SASUKEに挑む』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

錦鯉の漫才「頭が良くなる本を買ったよ!」に対する完璧なツッコミは?
言語学者である著者が、「アホ」「クズ」「バカチン」にはない、「タコ」という悪口のもつ表現の底力について考察。お笑いコンビ・錦鯉の機転のきいたツッコミの妙についても言語学の観点から解説するぞ。本稿は、川添 愛『言語学バーリ・トゥード Round 2: 言語版SASUKEに挑む』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

「涙は飾りじゃないのよ」「人生は浪花節だよ」だったら絶対ヒットしてない説
主語から始まる日本語の語順を、後置文にするだけであら不思議、凄みすら帯びたキメ台詞に早変わり!「普通の語順に戻したときとの差が大きく、そのギャップを味わうのが楽しい」と、言語学者である著者が倒置文の魅力を語る。本稿は、川添 愛『言語学バーリ・トゥード Round 2: 言語版SASUKEに挑む』(東京大学出版会)の一部を抜粋・編集したものです。

「すぐに走って逃げてクマを興奮させない」警告文が危険すぎるワケ
言葉には、つねに曖昧さがつきまとう。特に、否定語が含まれている文章には要注意だ。その否定語がかかる範囲によっては、意味が正反対になってしまう場合があるからだ。日常で使われる言葉の奥深さについて、言語学者が解説する。※本稿は、川添 愛『世にもあいまいなことばの秘密』(ちくまプリマー新書)の一部を抜粋・編集したものです。

「千と千尋の神隠し」と「アナと雪の女王」の違い、わかるかな?
小洒落たお店に行ったとき、よく出てくるのが「AとBのC」タイプのメニューだ。しかし、「メロンと桃のコンポート」があったとして、果たしてそれは「メロン」と「桃のコンポート」なのか、それとも「メロンと桃」のコンポートなのか。言語学者の筆者が、言葉の持つ曖昧さを掘り下げて解説する。※本稿は、川添 愛『世にもあいまいなことばの秘密』(ちくまプリマー新書)の一部を抜粋・編集したものです。

セールスを断る時、絶対に言ってはいけないNGワードとは?
ささいな言葉の行き違いで、SNS上ではしばしばトラブルが発生しているし、リアルでの対人コミュニケーションでも簡単に誤解が起きるもの。言語学者の筆者によれば、人と人との間で飛び交う言葉には、本来、複数の解釈があるのが当たり前なのだとか。ふだんの言葉遣いで気をつけるべき点を解説してもらった。※本稿は、川添 愛『世にもあいまいなことばの秘密』(ちくまプリマー新書)の一部を抜粋・編集したものです。
