これに対して注意とは、自分と相手の両方、さらに周囲の人々の不利益を減らし、利益を増やすための行為です。
相手に注意する前に
明確にすべきこと
注意をする前には、「いったい誰のための“注意”なのか」ということと、「相手の具体的な行動のうち、どういう点を改めてほしいのか」を明確にする必要があります。
もし「周囲の人はともかく、私個人が困るから行動を変えてほしい」という場合は、注意ではなく「お願い」「依頼」の形を取るのが適切だと思います。
そういう場合、自分1人が感じている不満を「公共のマナー違反」や「大勢の人の利益の侵害」にまで広げてしまい、「他の人だって嫌な気持ちになっているはず」「まったく、この人はなんて非常識なんだ」といった気持ちを芽生えさせると、相手へのわだかまりが大きくなってしまいます。
私の経験から言えば、ふと「こうしてほしいな」と思ったら、余計なことを考えずに「すみません、こうしてもらえると有り難いんですが」と軽くお願いしてみる方がうまくいくことが多いように思います。
以前、プロレスを見に行ったときに、すぐ前の席のお客さんが大きな帽子をかぶっていたことがありました。帽子にさえぎられて、リングが半分ぐらい見えません。指定席なので、別の席に移動することもできません。
とても楽しみにしていた興行だったので、これは困ったと思いました。一瞬、「まったく、この人は後ろの人のことを考えていないのだろうか」「せっかくお金を払って見に来ているのに、なんでこんな思いをしなきゃいけないんだ」という思いが心をよぎりました。
しかしすぐに気持ちを切り替えて呼吸を整え、できるだけ穏やかな声で「すみません、ちょっとよろしいですか?」と話しかけ、「お帽子が大きくてリングが見えないので、もし差し支えなければ取っていただけると有り難いのですが」とお願いしました。







