複数のビジネスパーソンの中で振り返る女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「いい会社に転職すれば、今の悩みはすべて解決する」。そう信じて転職を繰り返しても、気づけばまた“辞めたい”気持ちに戻ってしまう。転職支援の現場を知る著者・佐野創太氏は、この終わりなきループの正体を“転職神話”と呼ぶ。会社も人も変わり続ける時代に、仕事で本当に満たされるために必要な視点とは何か。※本稿は、佐野創太『脱 会社辞めたいループ』(サンマーク出版)の一部を抜粋・編集したものです。

どの会社に転職しても
幸せでい続けることはできない

 私たちが「嘘をついてでも転職しよう」と思わされる原因には、「転職神話」も関係しています。それは「いい会社に転職すれば、今の悩みはすべて解決する」という神話です。

 もちろん、いい会社はたくさんあります。

 元法政大学大学院政策創造研究科教授の坂本光司先生が2008年に出版した『日本でいちばん大切にしたい会社』は2025年4月現在で8巻まで出版されています。会社の成長や利益よりも、従業員の幸せを重視したり、独自の経営方法で持続可能な経営を続けていたりする会社が紹介されています。

「いい会社」の定義がたくさんあることがわかります。

 この本に掲載されていないだけで、他にも数えきれないほどの会社が存在しているわけですが、あなたはどの会社に転職したら、転職後「も」幸せになれそうでしょうか?

 実は、どの会社に転職しても幸せにはなれません。

 正確に言えば「幸せでい続けること」はできません。

 なぜなら、あなたも会社も「変わり続けるから」です。