この「返金規定」が「入社3カ月以降は辞めてもらって結構」と考える悪魔の顔をつくってしまいます。転職エージェントの悪魔の顔は、そこで働く人の性格や価値観でつくられるわけではありません。仕組みによって、誰でも悪魔になりえるのです。
もし担当の転職エージェントに違和感があったら、「仕組みでおかしくなってしまったひとりか」と落ち着いて担当変更を申し出てください。転職の結果の責任を取れるのはあなただけです。遠慮する必要は少しもありません。
まともな企業かどうか
自ら確認する天使のエージェント
一方で、天使の転職エージェントも存在します。私の知るNさんもそのひとりです。
『脱 会社辞めたいループ』(佐野創太、サンマーク出版)
Nさんは、求職者の最寄りの駅から紹介する企業のオフィスまで「疑似通勤」します。そして採用企業に「○○さんが入社後にする予定の仕事を1日体験させてください」「上司や同僚の方にお会いさせてください」と頼み込んで、「疑似入社」までします。つまり、Nさんは転職「後」も代行していたのです。
もちろん、一般的な方法ではありません。Nさんは上司から「効率が悪すぎてビジネスにならない」と咎められることもあったそうです。それでも「預かった人生を無駄にすることはできません」と上司に頭を下げ、「疑似転職」を繰り返していました。
Nさんには転職エージェントを退職した後も「5年前にお世話になった○○です。仕事の相談に乗っていただけますか?」と連絡が来るそうです。Nさんのような「天使の転職エージェント」も確かに存在します。
悪魔にも天使にもなれるのが転職エージェントです。素顔を把握した上で、「私の転職パートナーとしてふさわしいか」と厳しい目を向けてください。







