このときの私は「転職エージェントは最高の職業だ」と自分に酔っていました。
求人内容が嘘ばかりで限りなく
真っ黒な企業を紹介していた
事態は急変します。Dさんが入社して3日後だったでしょうか。Dさんのキャリアアドバイザーだった先輩社員Eさんから呼び出され、こう告げられました。
Dさん、青ざめてたぞ。真っ黒な企業じゃないかよ。
混乱しました。Dさんによると「入社前に聞いていた仕事内容、報酬、待遇、ポジションの何もかもが違う。事業内容すら違う。さらには社長は黒に近いグレーなことまでしている」とのことでした。
C社は求人内容を嘘で固めていたのです。
幸いなことに、私の上司が間に入ってC社と話をつけ、EさんがDさんをサポートして、Dさんは私が担当していた別の企業に転職できました。
その後、転職先の会社の採用ページでインタビューに載るほど活躍しているDさんを見て、ほっとしたことを覚えています。
Dさんも「佐野さんに最後まで担当していただいて良かったです」と言ってくれました。でも、これは結果オーライにすぎません。「話が違う」とわかってから相談に来たDさんの、席を立つときの一言を今でも覚えています。
佐野さんのこと、信じていたんですけどね。
その声は、「会社辞めたい」ループから抜け出すための武器を提供する「退職学R」をはじめるきっかけになりました。でも、「お前は自分の評価のために人のキャリアを売ったんだよ」と10年以上経った今でも変換されて聞こえてきます。
このようなことが頻繁に起こるとは言いませんが、転職エージェントは完璧ではありません。しかも新入社員の転職エージェントが担当になった場合、職種や業界の事情に詳しくないこともあります。企業の中身を把握できていないこともあります。そのことは頭に入れておいてください。転職したことのない人が、あなたの転職活動をサポートする可能性があるのです。
あなたが「最高の転職エージェント」に出会えるように、「悪魔と天使の転職エージェントの素顔」をお伝えします。







