この例のように1億1000万円で購入した中古マンションも新築価格は8000万円台だったかもしれません。株式市場が崩壊した段階でそれくらいの価値減少は起きうると覚悟しておくべきです。

 もしそうなった場合、オーバーローンといって残債が物件の売却額を下回る状況になります。わかりやすくいうと、リスクとしてはもし年収が減ったりした場合でも物件を売却できなくなるのです。

 もちろん金融ショックが起きたとしても、毎月の返済額をきちんと返済していけるのであれば問題はありませんが、それ以外の選択肢が狭まるという意味でも、不動産の価格下落リスクは想定しておくべき問題です。

 そして3つめに、あまり考えたくないかもしれませんが離婚リスクが存在します。夫婦仲がいいとしても、日本人カップルのうち3組に1組は将来確率的に離婚するというデータがあります。

 共同で住宅ローンを抱えた場合、離婚の段階で現実的にはどちらかがそのローンを引き取ることになるでしょう。結局のところ「夫婦で負担すれば毎月の返済額が8万円だ」という考えでは3組に1組が将来立ち行かなくなるのです。

 さて、このようにリスクを解説すると、「わかった。もう不動産は買えないというのが結論だ」とお考えになるかもしれません。しかしここが経済の面白いところです。発想を変えることでパワーカップルが東京23区に1億円を超えるマンションを購入することは戦略的には可能だという話をここからさせていただきます。

 ではどのような戦略なら高額物件を買うことができるのでしょうか?戦略は次の4ステップです

1. 50年変動金利ではなく35年固定金利のフラット35を前提にする
2. 共同ローンが前提だとしても、最悪、自分が引き取れる返済額の物件を探す
3. 物件が見つかったら、実際の契約はフラット50(50年固定金利)で実行する
4. この4番目の手順が重要ですがここでは秘密にしておきます。あとで解説します

 ちょっとトリッキーなやり方ですが、このやり方だと驚くようなマジックが起きるのでお楽しみにしてください。