資産が増える魔法の戦略は
「35年ローン×新NISA」

 4番目の種明かしを後でお話しするとして、実際、1~3で購入プランを考えてみましょう。

 さきほどの例では、70平方メートルのマンションを約1億1000万円で購入して、頭金を除いて9000万円の住宅ローンを借りることが前提でした。

 これをフラット35で借りるとしたら毎月の返済額は約29万3000円です。どうでしょうか?最初は夫婦共同ローンでも、最悪、最後は自分が引き取る形で返済できるでしょうか?

 それが難しいと考える人は、もう少し安価な物件に変更すべきです。東京23区で70平方メートルの物件ではなくたとえば50平方メートルに条件を下げたらどうなるでしょうか?単純計算で住宅ローンは約6400万円になり、毎月の返済額はフラット35で約20万9000円になります。23区をあきらめて東京都下やお隣の千葉県で探しても、今なら中古でそれくらいの価格の物件はみつかります。

 このようにして、自分で返済できる金額の物件を探すというのが手順の1と2です。そしてここでトリッキーなのですが手順3として、この6400万円をフラット35ではなくフラット50、つまり50年の固定金利で借りることにします。

 今、フラット50の最頻金利は1.99%です。この条件で返済額を計算すると毎月の返済額は約16万9000円。差額で35年ローンよりも4万円も返済額が低くなります。

 さて、ここで手品のように怪しい「手順4」の登場です。

 手順4:この差額の4万円、住宅ローンに支払ったつもりで、新NISAで投資をします。

 たとえば人気のオルカン(オールカントリー型投資信託)に毎月投資をしたとしましょう。毎月4万円を35年間続けるとしたら累計の投資額は1680万円で新NISAの上限以内に収まります。

 さて、人気のオルカンは過去安定して年利6~8%で上昇していることが知られています。私が実際、長期の平均利回りを計算してみると年利7.55%でした。仮にこの利回りで35年間、毎月4万円ずつ投資をしていくと35年後には新NISAの残高はどうなっているでしょうか?