ということは、どれくらい仕事が遅れがちなのかを質問すれば、「こいつ、サボっているんじゃないか」という見当をつけることができるはずです。

「仕事の調子どう?順調に進んでる?」

 こういう質問をして、「いやぁ、全体的に遅れがちでさあ…」という返事がかえってくるのなら、サボっている可能性が高いとにらんで間違いありません。

 仕事の「結果」は、ウソをつきません。

 同じような作業を与えられている人たちがどんどん仕事をこなしているのに、一人だけ明らかに作業の遅延が見られるのだとしたら、その人は仕事をしていない、つまり勤務時間中に何か他のことをしている可能性が大だと見なせます。

 同じ仕事をしていれば、本人の能力や仕事の慣れの度合いによって多少は仕事量に差が見られることはあるかもしれませんが、たとえ差があるとしてもそんなに大きな差は出ないはずです。大きな差が出るのだとしたら、その人はほぼ確実にサボっているのです。このように「結果判断」で見抜くのが一番です。

 ちなみに、サイバースラッキングをしている人は、自分では悪いことをしているという意識がまったくありません。

 シンガポール国立大学のヴィヴィアン・リムは、ネットでのおサボりについての調査を行い、男性の97%、女性の85%は、「仕事中でもOK」と考えていることを突き止めています(※2)。

 どうして悪びれずにサボることができるのかというと、「良い気晴らし」や「ストレス解消」になると本人が思っているからです。

 勤務時間中でも、たとえばちょっと猫の動画などを見ると、非常に良い気晴らしになり、仕事量も増え、結果として会社の利益になるのではないか、と思い込んでいるのです。だから堂々とサボることができるのです。

 もちろん、それはサボっている本人の言い訳にすぎません。実際には、仕事が遅れ、みんなに迷惑をかけることのほうが多いのですから。

 「ほんのちょっとしかサボっていないのだから許されるだろう」というのも甘い考えです。

 ほんの数十秒でも、数分間でも、仕事以外のところに注意を向けてしまうと、なかなか元の仕事に再集中することができません。