「大悟さんにとっては、ここ一番で松本さんへのリスペクトの思いを叶えられなかったのが納得できなかったのでしょう。これまで、松本さんが帰って来るまで頑張って支えてきたのに……という思いになってしまったんでしょうね」
一部メディアでは大悟氏の降板に対して、「売れっ子芸人ゆえの横暴だ」といった指摘もあるが、高田氏はキッパリ「そんなことはないでしょう」と断言する。
「若手時代の千鳥の雑誌取材で今でもよく覚えているのが、限られた時間の中で一生懸命、面白い記事にしようと話をしてくれたこと。若手でも、『たかが雑誌でしょ』と無愛想な芸人も正直いるんですよ。でも、千鳥の2人は違いましたね。何より、超売れっ子になった今でも全国ネットだけじゃなく、ローカル番組も続けている。彼らの義理堅さを物語っていると思いますよ」
改編期でもない12月の終了は異例だが、「テレビ史を振り返れば、もっと過激な終わり方もありましたよ」と高田氏は続ける。
「2014年に亡くなった、やしきたかじんさんの番組降板は、もはや伝説でしょう。テレビ朝日系『M10』という番組の料理コーナーで、何度も打ち合わせをしたにもかかわらず「味の素」が用意されていなかったことに、たかじんさんが激怒してね。生放送中にディレクターを追いかけ回す騒動になって、それがきっかけで降板されたんです。それに比べたら、大悟さんのケースは穏便な終わり方ですよ(笑)」
テレビと視聴者に距離感がある時代になって久しいが、今般の大悟氏の降板をきっかけに、タレント側が「誰と作るか」を選び直す時代に突入したのかもしれない。
折しも『DOWNTOWN+』のSNS上の宣伝は、人気芸人バイきんぐの小峠英二氏や、今年のキングオブコントで優勝したロングコートダディの堂前透氏など、出演者(共演者)にフォーカスして話題になっている。
一方のテレビがこの先、どのようなお笑いを生み出していくのか――引き続き見届けていきたい。







