間違った発信でも磨けば
新しいアイデアになり得る

 上司に話をすることで、アドバイスをもらったり、承認を得たりと、仕事を進めることができます。仕事の現場では、このように他者と「仕事に関して協働する」ことが求められるようです。

『主体性」はなぜ伝わらないのか』(武藤浩子、筑摩書房)『「主体性」はなぜ伝わらないのか』(武藤浩子、筑摩書房)

B 主体性があれば、恐らく発信ができて、人を一緒に巻き込んで変えていける。変な状態だったら変えていける。(製造)

E 若手それぞれが見てる景色が違いますし、営業が見えてるもの、開発が見えてるものも違うと思うので、それらを総合して組織として最良の答えを出し続けていくのが必要なのかと思います。(製造)

 管理職は、それほど仕事経験のない若手社員の視点や情報をとても有益だと考えていて、それぞれの社員が「発信」することで、組織をよりよい方向に変えられるというビジョンを持っているようです。

 Dさんは、間違っていたとしても「自分なりに考える」ことを求めていましたが、間違っていても良しとされる理由は、発信して、他者との協働につなげられれば、元のアイデアをチームでブラッシュアップできるためだと考えられます。

 このように企業が求める主体性とは、「自分なりに考える」「発信する」「仕事に関して協働する」を含んでいます。

 すでに企業で働いている人のなかには、「ふむふむ、なるほどな」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。