写真はイメージです(Photo:PIXTA)
働き方やキャリアの選択肢が多様化する現代において、多くの人々が自分にとっての理想の仕事や働き方を探し求めています。特に専門性の高い技術職は「自分のスキルは他社で通用するのだろうか」「このままで将来、大丈夫だろうか」といった不安を抱えがちです。
今回は、共に20代後半で転職に挑んだ2人のエンジニアに焦点を当てます。
一人は「理想の追求」を原動力に、より大きな挑戦の場を見つけました。もう一人は「現状への危機感」をきっかけとして動き出すことで、自らの市場価値を再認識しました。彼らはいかにして立ち止まることなく納得のいくキャリアを見つけたのか。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがその軌跡を追います。
(文=大和 航希/リクルートエージェント キャリアアドバイザー)
壮大な目標を掲げた、ポジティブな「挑戦」を軸に活動したAさん
Aさんは、前職で自動車部品メーカーの生産技術職として働いていました。社会人3年半を迎え、転職を決意した理由は極めて前向きで明確なものでした。それは「より高みを目指す技術者」としての自己実現です。
Aさんが抱いていたのは「もっと技術を極め、モノづくりを支える人々に技術を伝えたい、指導者として生産現場に貢献したい」という強い思いでした。
面談の席で、彼は「理想は、工場のサブスクをつくることです」という、20代にして壮大な目標を語っていました。この目標を達成するために「もっと多くの生産現場を見て、もっと多様な技術に触れたい」という明確なキャリアプランがあったものの、前職の限られた社内設備や工程の中では、知識と経験の幅を広げることに限界を感じていました。
そこで彼は年収アップよりも、技術者としての知識と経験の幅を広げることを最優先事項として、自身の熱意を実現できる環境を求めて転職活動を開始します。







