「“考えすぎ”から解放された」
そんな感想が国内外から届いているのが、世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっている『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書がついに日本上陸。本書によって日本人が考えている以上に「考えすぎ」が恐ろしい事態を招くことがわかった。今回はライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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簡単なタスクから消していく
快感の裏にある落とし穴
会社員時代、私のTo Doリストは思いついた順に書かれていた。
メールの返信、資料の修正、会議の日程調整、経費精算。この並び順に法則はない。
ただ、頭に浮かんだ順に忘れないようメモしていた。
そして、簡単そうなものから取り掛かっていた。
3分で終わるメール返信、10分ですむ日程調整。チェックマークがつくたび、小さな達成感がある。To Doリストが減っていくのは、とても気持ちいい。
でも金曜になっても、一番重たいタスクは消えていなかった。
それどころか、その間に新たな細かいタスクが飛び込んできて、またそこから手をつけてしまう。
月曜に「今週こそやる」と思っていた企画書は、結局また来週に持ち越しとなった。
忙しかった。たくさん働いた。
でも、結局、何も進んでいない気がする。
この違和感の正体は一体何なのか?
世界的ベストセラーの教え
この秋も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)もこう述べている。
そして、自分の頭と時間を何に使うか決める。そうすれば大幅に無駄を減らせる。
――『STOP OVERTHINKING』(P.124)より
タスクに優先順位をつけず、「全部やらなきゃ」と感じていたから、考える前に動いてしまっていたのだ。
目の前に現れた順、簡単な順、気になった順。
タスクを選ぶ際の判断基準があいまいなまま、反射的に仕事をこなしていたのだ。
結果、何も終わっていない気がして、常に心はせわしない。
達成感はあるのに、成果は出ていない。
この矛盾が、慢性的な焦燥感を生み、「自分は仕事ができないのかも」という自己嫌悪まで抱え込んでいた。
金曜の夜、ため息をつかない人の習慣
本当に必要なのは、行動量を増やすことではない。
自分の頭と時間を、どこに使うか決めることだ。
本書では、あるタスクに対し「長期的な目標にとって『重要』でも『緊急』でもないものは今すぐやめよう」という態度を取ることを勧めている。
全部抱える必要はない。
「今やる」「後でやる」「誰かに任せる」「やらない」
――この4つを瞬時に切り分ける力が、考えすぎずに動ける脳の使い方だ。
今日のTo Doリストを全部終わらせるより、「何に時間を使うか」を一度立ち止まって考える。それだけで、忙しさの中に、静かな主導権が戻ってくる。
金曜の夜、手つかずのタスクを見てため息をつく代わりに、
「今週、自分の頭はどこに使われていたか?」
と問うてみる。
その問いが、来週からの働き方を変えていくはずだ。
(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)









