弟のいる長女:頑張ることを手放すリスクと親の役割
弟のいる長女さんは、しばしば「お母さんは、弟ばかり可愛がっていた」と思って育つ方が多い傾向にあります。
これは、親が意図的に差別しているわけではなく、性別の違いと成長の差から生じることがほとんどです。一般に女の子は男の子に比べて成長が早く、言葉も早く、理解力も高いため、母親の言うことをきちんと聞くことができます。一方、男の子は母親にとって「宇宙人」のように理解不能な存在に感じられることも多く、言うことを聞かせようとしても難しいため、大目に見ることが多くなりがちです。
長女はこれを見て、「自分の時はダメって言われたのに」「弟はずるい」と感じ、強い嫉妬を覚えます。その結果、「物わかりのいい私では厳しくされるばかりなので、頑張るのはバカバカしい」と考えるようになり、一生懸命頑張ることをやめてしまうことがあります。頑張らなくなることで、大人になった時に、チャンスを逃してしまうことにつながりかねません。
しかし、その反面、弟のいる長女さんは、気さくで親しみやすい性格に育ち、「うまくいくことだけが人生じゃない」といった達観した感覚を持ち合わせることもあります。
育て方のヒント:心を満たし、同志となる
弟のいる長女さんを育てる上で重要なのは、弟に嫉妬をすることがないように注意を払うことです。物理的に弟の世話が必要でも、心だけはずっとお姉ちゃんの方に向けてあげることが何よりも大切です。
例えば、お姉ちゃんが何かできた時、すぐに隣にいて「できたね」と声をかけてあげるだけで、長女の心は満たされます。心が満たされれば、心が荒れることはありません。
長女さんとは、友人や同志のような心で交流することが有効です。親だからと指導するような態度を取ると、特に弟が生まれた後は、それが自己否定されているかのように感じ、強く反発します。上から指導する関係を止め、共に育つ姿勢を持つことで、長女の知恵や能力は高まります。







