どんな状況?

 5人ずつ、5列になって並んでいる。
 つまり、こんな状況です。

【頭の良さチェック!】5人ずつ5列になって並んでいる。縦の5列それぞれで最も背の高い人のなかで最も背が低いのはA。横の5列それぞれで最も背の低い人のなかで最も背が高いのはB。AとB、背が高いのはどっち?

 そして、5つある縦の列それぞれのなかでいちばん背が高い人のうち、最も低いのがAで……。
 5つある横の列それぞれのなかでいちばん背が低い人のうち、最も高いのがBで……。

 AとBどちらの背が高いのか、このままだとよくわからないですね。
 状況を理解するためにも、これも図に加えてみましょう。
 たとえば、

【頭の良さチェック!】5人ずつ5列になって並んでいる。縦の5列それぞれで最も背の高い人のなかで最も背が低いのはA。横の5列それぞれで最も背の低い人のなかで最も背が高いのはB。AとB、背が高いのはどっち?

「高」が、5つある縦の列それぞれのなかでいちばん背が高い人。
 そして、そのなかで最も背が低いのがAです。
「低」が、5つある横の列それぞれのなかでいちばん背が低い人。
 そして、そのなかで最も背が高いのがBです。
 このAとBの背を比べる、という問題です。

第三の比較対象

 ここで、視点を変えてみましょう。

 Aが選ばれた縦の列と、Bが選ばれた横の列は、どこかでかならず交差します。
 そのちょうど交差した点にいる人をCと呼んでみましょう。
 先ほどの図で示すと、ここの人です。

【頭の良さチェック!】5人ずつ5列になって並んでいる。縦の5列それぞれで最も背の高い人のなかで最も背が低いのはA。横の5列それぞれで最も背の低い人のなかで最も背が高いのはB。AとB、背が高いのはどっち?

 Cはどういう人でしょう?
 Aが選ばれた縦の列にいるので、CはAより背が低いです。
 Bが選ばれた横の列にいるので、CはBより背が高いです。

・CはAより背が低い
・CはBより背が高い

 この2つの情報をまとめると、

 高い「A>C>B」低い

 という順になります。
 つまり、BよりAの方が背が高いとわかります。

<正解>
 BよりAの方が背が高い

「思考」のまとめ

 比較対象が異なっていたAとB。その2人を直接比べるのではなく、それぞれと比較されたことのあるCを基準として考える問題でした。
 AとBだけに注目していると、なかなか気づきづらいポイントだったと思います。視点を変えてみることで、じつは重要である存在に気づけます。

 この問題のように、直接的に答えがわからなくても、その他の事実を集めることで最終的に結論を出す考え方は、定番の論理的思考です。「a=bであり、b=cである。よってa=c」のような三段論法を聞いたことがある人も多いでしょう。
 直接の証明が難しい場合は、別の事実を経由して真実を証明できないか考えてみたいですね。

・わかっている情報から手がかりがつかめないときは、視点を変えて情報同士を関係づけてみると、別の関係性が見えてくることがある

(本稿は、『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。書籍では同様の「読むだけで賢くなる問題」を多数紹介しています)