総予測2026Photo by Yuji Nomura

秋田県沖と千葉県沖の洋上風力発電事業からの撤退を決断した三菱商事だが、液化天然ガス(LNG)の新たな権益獲得を進めるなど、日本のエネルギー界における存在感はまだまだ大きい。苦渋の決断を下した先に何を見据えているのか。特集『総予測2026』の本稿で、中西勝也社長が胸中を明かした。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)

手応えのある社長4年目がスタート
組織再編を経て環境リスクに「慎重に」

――2025年の所感を。

 社長に就任後の3年間を振り返り、4年目以降どう向き合っていくかを考えた1年でした。社内的には洋上風力発電事業からの撤退という大きな決断をしました。一方で、手応えのある4年目がスタートしています。

――手応えとは?

 24年に組織を大幅に再編しました。旧コンシューマー産業グループ、旧産業DX部門、金融事業本部、バイオファインケミカル部の四つを集めて新設したSmart-Life Creation(S.L.C.)グループや地球環境エネルギーグループなど、組織もトップも変えてきました。

 4月に発表した「経営戦略2027」には「総合力をエンジンに未来を創る」と副題を付けました。社長に就任してから「営業グループ同士の連携をより意識しようよ」と言い続けてきましたが、再編後に随分それが浸透した気がします。

 同時に仕掛けた案件が投資の形で出てきています。新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻で地政学リスクが顕在化していく中で、不確実性が高まり、より慎重に事業展開をする必要があると意識しているところではあります。

――洋上風力発電事業からの撤退について言及しましたが、対外的に見て三菱商事にとって試練の年でした。撤退を決断した教訓もあったと思われますが、いかがでしょうか。

 ちょっと、質問させてください。今、洋上風力発電をどのように理解されていますか?

取材中、中西社長が突然、記者に質問を投げ掛けた。その真意とは何か。次ページで撤退の決断に至った胸中を吐露し、資源にとどまらない三菱商事が手掛けていく投資の一手について明らかにしていく。