【解説】投資家生命を支える「体」の重要性

シゲルさんが九死に一生を得た経験は、私たち個人投資家にとっても他人事ではありません。投資は、判断の連続です。その判断を支える「心」と「技」も、土台となる「体(健康)」がしっかりしていてこそ、初めて機能します。

もし体調を崩し、冷静な判断ができなくなれば、どれほど優れた「技」を持っていても宝の持ち腐れです。体調不良による焦りや不安は、いとも簡単に「心」を乱し、取り返しのつかない売買ミスを誘発します。

日々の健康管理こそが、パフォーマンスを安定させる第一歩なのです。

資金(体力)は「心の防波堤」

そして、もう一つの「体」である「資金面での体力」も、健康と同じくらい重要です。シゲルさんのように突発的な病に見舞われれば、当然、医療費などの予期せぬ出費が発生します。

もし、投資資金と生活資金を切り分けていなければ、どうなるでしょうか。必要な治療費のために株を泣く泣く売却する羽目になるかもしれません。

十分な生活防衛資金を確保し、「余裕資金」で投資すること。これこそが、不測の事態に備える「資金体力」であり、冷静な「心」を保つための「防波堤」となるのです。

「心・技・体」のバランスを日々見直す

「考えるよりやる」という言葉どおり、実践から学ぶことは非常に多いです。しかし、ただ闇雲に売買を繰り返すだけでは、経験は積めても「心・技・体」は磨かれません。

自分自身の健康状態、資金管理(体力)、そして市場に対する冷静な心(心)が保たれているか。日々のトレード技術(技)は市場に合っているか。

この3つのバランスを日々点検する習慣こそが、長く相場で生き残るための鍵となります。

※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。