止まることなく、1分間ひたすら文章を書き続ける
先述したように、1分間ライティングで書く内容は前日に行った3サイクル反復速習法の復習です。前日に読んで覚えた内容を言葉で再現できるか確認するのが目的です。
アウトプットの仕方は「単語」ではなく、ここでは「文章」で書くようにします。
最初に、前日勉強した範囲で出てきたキーワードを一つ決めます。そのキーワードは用語でもいいですし、問題の形にしてもよいでしょう。
たとえば、日本史であれば「飛鳥文化の特色は何か?」といったもので構いません。そのキーワードをスタート地点にして、関連事項をどんどん文にしていきます。
リラックスを心がけて、頭の中の情報を苦労してひねり出すというよりも、ふと浮かんできたり、連想したりしたものをきっかけにして、芋づる式にずるずると文章にしてつなげていく感覚です。
あくまで、目的は頭の中の「見える化」です。
人に理解してもらうわけではないので、文章をまとめる必要はありません。文のつながりがおかしくても、まったく問題ないのです。
キーワードに関連すると思えることであれば、なんでも思いついたままを書いていきます。思いつくままなので、当然書いていく項目の順番にはこだわりません。
とにかく、肩の力を抜いて手を止めずに書き続けることです。
慣れないうちは、頭の中のことをそのまま文にするというのは結構難しい作業です。何も浮かんでこないことも多いかもしれません。
そんなときは、キーワードのみを書き続けてください。
そのうち頭にひっかかるものが出てくれば、またそこから連想して続けていけばよいのです。
そこまでしても本当に何も浮かばないときは、「何も浮かばない。何も浮かばない。でもそのうち何か浮かんでくるはず……」などと書き続けてもらっても結構です。

大事なのは、脳の中身を引き出そうとする意識です。
その意識を持ちつつ手を動かし続けることによって、脳と手を直接つなぐ回路が形成され、最終的に脳の自動化につながるのです。
ある知識を反射的に書き出すことができれば、それは頭に入っている「使える知識」であることの証明になるのです。
制限時間を設けることで、最高レベルの集中力を引き出す
ライティングには時間の制限を設けます。そのためにタイマーを用意してください。
脳の編集したがる意識を排除するために、ライティングにかける時間は、1キーワードにつき1分間に設定します。
最初のうちは、1分間といえども少し戸惑うかもしれませんがすぐに慣れてきます。
続けているうちにコツのようなものがつかめてくるので、自分の頭の中を文字にして表現することがそのうち楽しくなってくるはずです。
制限時間を1分間にする理由は、最高レベルの集中力を引き出すためでもあるのです。
脳は、時間を制限されたほうが本気になって働いてくれる性質を持っています。
心理学では「締め切り効果」などと呼ばれています。
1分間という短い制限時間で、脳により危機感を持たせましょう。

1分間ライティングの主な目的は記憶の確認と強化ですが、この勉強法を続けていくことにより、脳の反射神経が鍛えられ頭の回転も同時に速くなっていきます。







