人の集中力は一定ではなく、脳の生理的リズムに沿って周期的に変動しています。朝と夕方にピークが訪れ、食後や夜間には低下する。このリズムを理解し、時間帯に応じて行動を最適化することが、生産性を高めるカギとなります。話題の動画「50歳でも記憶力はアップ!加齢に勝てる脳トレ法」を公開した池田義博氏は、日本記憶力選手権大会で6回優勝。試験・資格・英語・ビジネスなど、あらゆる場面で結果を出すためのメソッドを紹介します。
※本稿は、著書「世界記憶力グランドマスターが教える脳にまかせる勉強法」の一部を抜粋しました。
集中力が高まる時間帯は、朝と夕方の1日2回ある
その日一日を通してみると脳のコンディションにはリズムがあり、集中力のレベルも変動を繰り返していて一定ではありません。
それならば、集中力の高まる時間帯を知ることができれば、その時間帯に合わせてタスクを行うことで、非常に効率的に作業を進めることができます。
そこで考えました。集中力の高まる時間があるということは、裏を返せば、集中力が低下する時間があるということです。
集中力が低下する原因を知り工夫することで、少しでも集中力を引き上げることができれば、生産性をさらに上げることができます。
この記事では集中力が高まる時間帯とそれ以外の時間に集中力を引き上げる方法の両方を紹介していきます。
まず先に、「集中力が高まる時間帯」について説明します。
Photo:PIXTA
人間も動物ですので、動物としての生存本能を基準にして考えると、集中力との関係がわかりやすくなります。
動物にとって、生存のための重要課題は食料の確保です。原始時代においては狩りのときに一番脳が働く必要があったはずです。現代人の脳にもその性質は受け継がれているので、食事の時間帯を中心に考えれば、集中力のリズムをつかむことができます。
空腹といえば、まずは朝ですが、朝起きてから約4時間がよく脳が働く時間帯です。「社会生活基本調査」(総務省調べ)によると日本人の平均起床時間はおよそ6時30分ですので起きてから午前10時ぐらいまでが集中力が高い時間帯といえます。
その中でも起きてから2時間は特に集中力が高い時間帯ですので、この時間を有効活用できれば、さらに生産効率を上げることができます。
そして、集中力が高まるもう一つの時間帯は、夕食前の時間になります。午後4時ぐらいから夕食までの時間が2回目の脳が働きだす時間帯になります。学生などはこの時間帯を利用すれば勉強の効率を上げることができます。
このように一日の中で集中力が高まる時間帯は2度訪れます。この時間帯をうまく利用できれば、その相乗効果で高いパフォーマンスを発揮することができるのです。







