子どもが泣き止んでも
おじさんの説教が止まらない

「かわいそうに母親はすぐに『すみません』と平謝りし、子どもをなだめようとしました。しかし、男性は『ほんっとにもう』といった表情で、ベビーカーの前に立ち尽くします」

「30秒くらいたった後、泣きそうになる母親の顔を見てか、知らないおじさんの気配を感じてか、その子は泣き止みました。『あーよかった』と私を含む車内のみんなが思いました」

 これで車内に平和が訪れると思いきや。事態はこれで終わりませんでした。

「男性は席に戻らず、親子の前に立ち尽くしたまま。母親に向かって『公共の場だろう』『親としてどうなんだ』『すぐに黙らせるのが母親だ』と、執拗(しつよう)にクドクド説教を始めたんです」

「『えぇ』とドン引きしたのは私だけではないはず。子どもが泣き止んだのに、今度はおじさんの説教を聞かされるとは。乗客にとって、単なる悪質な騒音でしかありません。車内にはイライラが募りました。おじさんは何かのスイッチが入ったのでしょうか、説教が止まりません」

我慢の限界に達した母親が発した
スカッとする一言

「ここで母親は我慢の限界に達したのでしょう。席から立ち上がりました。そして、男性をにらみつけて大声でこう言いました。『オメーの電車かよ!』」

「この一言で、男性は面食らったように言葉を失い、黙り込んで別の車両に逃げるように移っていきました。私もスカッとしました。頼もしい母親だな、とも思いましたね」

 子どもの予期せぬ泣き声は、ある程度は仕方のないこと。この場合は、注意をしたおじさんの行き過ぎた行為が、逆に車内から反感を買ってしまいました。

「オメーの電車かよ」と言い返されたように、その電車はおじさんだけの電車ではありません。みんなのものです。乗客同士が互いに寛容な心を持ち、快適に過ごせるように努めたいものです。

図表:新幹線や特急でイラッとしたことある?鉄道トレンド総研調べ。2025年8月3日~5日にインターネット調査。全国の10~70代の男女306人が回答 拡大画像表示

※鉄道トレンド総研に寄せられたエピソードをもとに再構成しています