インターネットとテレビの関係が逆転しかかっている2025年に、これまで「トップ・オブ・ザ・テレビ」として君臨してきた松本人志がネットに着地したというのは、大きな変換点とも思える。
地上波はもはや、登竜門でもなければ「最終的に戻る場所」でもないのかもしれない。
筆者が試聴して感じた
松本人志の意外な様子
筆者も課金してライブ配信された松本の独演を視聴した。感じたのは、今回の件でかなりダメージを受けたのだな、ということだった。それだけのことがあったのだから当然と言えば当然なのだが、なんでも「おいしいネタ」に見せてきた芸人として、もう少し飄々としているものかと想像していた。
「干された」「(活動休止中の)毎日びっくりしていた」などと言って笑いを取っていたが、疲れやショックを隠せていないように見えた。
会場に集まった人々は、わざわざ足を運んでいるのだろうから松本のファンなのであろうし、実際に要所要所で喝采が上がり、温かく迎えられていた。しかしそのような場であっても、松本は緊張して見えた。
90年代のバラエティから彼を見続けている者としては、賛否の前にまず驚いたというのが正直なところだ。
そして、このような状況であれば、テレビから干されていようといまいと、ファンに向けてのみ発信できる場は、松本自身にとって好都合なのではないかとも思えた。
もちろん、地上波であれインターネットTVであれ、熾烈な競争の場であることは間違いない。
松本人志の復帰をどう受け取るかは、人によって大きく異なるだろう。ただ、このような復帰の仕方を誰もが知る芸人が示した意味は、本人の意図を超えて、今後不祥事を起こした人気タレントの選択肢を示したように見える。







