人工知能(AI)研究者のヤン・ルカン氏(65)は1980年代に大学院生だった頃、機械学習に関する博士論文を執筆するための指導教官を見つけられずにいた。そのテーマを研究している人が他に誰もいなかったからだ。彼は後にそう振り返る。最近では、ルカン氏は米メタ・プラットフォームズの中で異端児となっている。「AIのゴッドファーザー」の一人として世界的に名をはせたが、メタの方向性が彼のAIの未来に対する見解と乖離(かいり)したことで、徐々に脇に追いやられている。近くメタを退社していわゆる世界モデルの開発に注力するスタートアップを設立することを検討していると、11日に報じられた。ルカン氏はこの技術が、メタの現在の言語モデルよりもAIの状態を進歩させる可能性が高いと考えている。