奈良高校の2025年春の大学入試(25年4月入学)では現役、浪人合わせて、京都大に28人、大阪大に43人、神戸大に25人、大阪公立大に55人が合格した。25年3月の奈良高校の卒業生数は、373人だった。
私立大には延べで、早稲田大3人、慶応大4人、同志社大231人、立命館大162人、関西大学155人、関西学院大70人だった。国公立、私立大とも関西圏志向が強いのが特徴だ。
奈良高校の校地は、県立高校の再編計画に基づき、2022年度に奈良市法蓮町から現在の平城高校跡地(朱雀校舎)に移転した。奈良高校の旧校舎が、耐震性に問題があったことも移転の理由だった。
「宝相華」(ほうそうげ)という奈良・平安時代を象徴する装飾文様がある。唐草に架空の五弁花の植物を組み合わせたデザインだ。奈良高校の校章は、その「宝相華」の中央に「奈高」の文字が刻まれた意匠だ。いかにも古都にある学校らしい。
奈良高校は創立以来、「自主創造」を掲げ、「個」を大切に創造性豊かであることをモットーにしてきた。文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールとしての指定を受け、国際的視野を持った生徒の育成に努めている。
学者・研究者として
活躍する卒業生たち
学者・研究者として活躍した卒業生を挙げてみよう。
理系では、電子工学者で東京工科大学長をした高橋茂がいた。トランジスタ計算機の開発に着手し、国産電子計算機の発展に大きな貢献をした。
三宅正宣は福井工業大の学長に就き、地場産業の原子力発電を支える専門家の育成のために原子力技術応用工学科を創設した。
吉岡章は小児科学、血液学が専門の医学者で、2008年~14年、奈良県立医科大学長を務めた。同大には奈良高校出身者が多数、働いているが、2023年6月には「第一回奈良県立医科大 奈高会総会」が開かれた。済生会奈良病院元院長の瀬川雅数や吉岡など、医師34人、学生26人、計60人が参集したという。
柳沢保徳は物理学者で、奈良教育大学長を務めた。江戸時代の大和国郡山藩柳沢家の第9代当主だ。
機能創成工学が専門で大阪大教授の中谷彰宏、元東大教授で数学者の薩摩順吉、資源システム工学者で九州大教授の島田英樹らも卒業生だ。
母校の奈良高校で理科教諭をしていた森田好博は、現職教員として初めて南極観測隊に同行し、10年1月に昭和基地から衛星回線のテレビ会議システムを使って奈良高校へ南極に関する授業を行った。
文系では、日本古代史の学界をリードし、京都大教授を務めた岸俊男がいた。稲荷山古墳(埼玉県行田市)出土の国宝・金錯銘鉄剣の研究で知られ、奈良県立橿原考古学研究所所長も務めた。
河合俊雄は心理学者で元京大教授、弟の河合幹雄は法学者だったが、23年に死去した。河合兄弟の父は心理学者で文化庁長官を務めた河合隼雄(兵庫県立篠山鳳鳴高校卒)だ。
齊藤誠はマクロ経済学者で元一橋大教授だ。2012年に石橋湛山賞を受賞した。
国文・国語学者の西宮一民、教育心理学者の伊藤美奈子、歴史地理学者の千田稔らも卒業生だ。







