【石神井高校】華麗なる卒業生人脈!女優の井川遥、経済同友会前代表幹事の櫻田謙悟、「数独」ブーム仕掛け人の鍛治真起…女優の井川遥 Photo:SANKEI

「数独」の世界的ブームの
仕掛け人である鍛治真起

「しゃくじい」高校という。東京・練馬区にある。東京府立第十四中学校を前身とする都立の伝統校だ。「文武二道」を掲げ、「スポーツの石神井」と呼ばれている。

「数独」を、ご存じだろう。3×3のブロックに区切られた9×9の正方形の枠内に、1~9までの数字を入れるパズルだ。海外では「SUDOKU」で通り、世界100カ国で大ヒットし、毎日1億人の人が楽しんでいる、といわれる。

 このブームの仕掛け人が、石神井高校の卒業生・鍛治真起(かじ・まき=1951年生まれ)だ。慶応大文学部国文学科に進学したものの中退し、印刷会社に勤めながらパズルの雑誌を発行し、83年にニコリを創設し、社長になった。米国のパズル誌に載っていたパズルを名称だけ「数字は独身に限る(「数独」)」と変えて日本で専門誌を発売したところ、2005年ごろから世界的なヒットとなった。

 鍛治自身は、パズルを解いたり作ったりする才能は、まるっきりなかったようだ。しかし、読者から投稿作品を募り、その作品を掲載することで販売部数を伸ばした。マーケティングの才には恵まれていた、ということだ。

 数字だけを扱うパズルなので、言葉の障壁がない。それが世界を席巻する大きな背景でもあった。小学生から年配者まで楽しむことができる。とりわけ年配者には、「脳トレ」「認知症予防」になるとして人気だ。

 鍛治は21年8月、69歳で死去した。同校で鍛治と同期生だった後藤好文はニコリ副社長を務め、現在は日本数独協会代表理事だ。