一風変わった経歴で
日銀審議委員となった中川順子
「出世頭」と評されるOGがいる。2021年6月から、日本銀行政策委員会の審議委員ポストに就いている中川順子だ。「ガラスの天井」を突き破ってきた女性の一人、と言えるだろう。
日本銀行には最高意思決定機関として政策委員会が置かれている。通貨および金融の調節に関する方針を決定する委員会だ。総裁(1人)、副総裁(2人)、および審議委員(6人)の計9人で、政策委員会を構成している。
9人のメンバーはいずれも国会の衆参両院の同意を得て、内閣が任命する。これまで、総裁、副総裁とも女性が任命されたことはない。一方、審議委員は現在、6人のうち2人が女性で、前早稲田大学教授の小枝淳子と中川が務めている。女性の審議委員が複数となるのは、現在の日本銀行法が施行された1998年以来、初めてのこととなる。
女性の審議委員はこれまで数人が誕生している。そのほとんどはマクロ経済学が専門の前大学教授だが、中川の経歴は一風、変わっている。
中川は、奈良高校を経て神戸大文学部卒。野村証券に事務職(一般職)として入社、総合職に転じて課長になったが、2004年に退社して専業主婦になり、夫について香港へ渡った。08年に野村証券グループに再入社し、11年には野村ホールディングスで初の女性執行役財務統括責任者に、19年には資産運用会社の老舗である野村アセットマネジメントのCEO(最高経営責任者)兼社長に抜てきされたのだ。これも女性初で、いわば「出戻り」で、異例の出世を遂げた、ということだ。そして21年には日銀政策委員会の審議委員に選ばれた。
奈良県出身の女性では、高市早苗(奈良県立畝傍高校―神戸大経営学部卒)がこの10月21日に首相の座を射止めたが、神戸大卒の後輩・中川のケースも異例の出世物語といえよう。
さらに経営トップを務めたビジネスマンでは、山田安邦(ロート製薬)、宮本一(関西国際空港)、森幸男(森精機)、阿部洋己(キリンビバレッジ)らも卒業生だ。
萩原俊嗣(としつぐ)は、萩原農場(奈良県田原本町)の3代目社長だ。スイカ研究の第一人者として知られ、全国で講演・普及活動をしている。25年4月から、奈良高校の同窓会・宝相華会の会長に就いている。
国際金融コンサルタントの菅下清広もOBだ。







