東大卒のFIRE達成者が
子どもの受験戦争から「完全離脱」した理由
中でも学生時代に体験した、知識を丸暗記させる「詰め込み型の教育」が、その後の人生に生きているとはどうしても思えませんでした。
確かに歴史の年号や数学の公式の中には、教養として知っておくと、人生を豊かにしてくれるものがあるかもしれません。ですが僕の人生においては、高校卒業から会社員卒業に至るまで、そうした知識の多くを一回たりとも使わなかったことも事実です。
受験合格を目的とした丸暗記や対策に、小学生の頃からどれだけの時間を費やしてきたのだろう。他にも学べることがあったはずだ――。そう気づいた時、僕は子どもの受験戦争に興味がなくなり、「いい学校になんて行かなくていいから、もっと本質的な学びをしてほしい」と思うようになったのです。
具体的には「自分の力で収入を得る力」「本当に幸せだと思えることを見つける力」など、人生に役立つ力を身につけてほしいと願うようになりました。
実際に、もう大学生になる上の子には「勉強しなさい」ではなく「自分で稼げるようになりなさい」とずっと言い続けています。ここでいう「自分で稼げるようになる」とは、必ずしも大金を稼ぐことではありません。
社会の中で誰かに何かを強制されるのではなく、「自分はどんな価値を提供できるのか」を理解し、その価値を提供することで、相手からお金や感謝といった対価を受け取る――という、生きた経済の原理を実践することを指します。
この教えは「いい会社に入れば、仕事の結果にかかわらずお給料がもらえる」という“世の中の当たり前”とは違うかもしれません。ですが、「会社に行くことだけが、生きていくための手段じゃないんだぞ」と教えることも、子どもの視野を広げるためには大切だと考えています。







