『ばけばけ』第41回より 写真提供:NHK
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年半続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」連載です。本日は、第41回(2025年11月24日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
恋愛編のはじまり?
第9週「スキップ、ト、ウグイス。」(演出:泉並敬眞)
今週も「スキップ」を引っ張るのか! 驚いた視聴者も少なくないだろう。
スキップもいい。でもそれだけじゃ……。
「戯曲というものは、やっぱり恋愛がなくちゃいけないと、あたし思うわ……」
これはチェーホフの『かもめ』のセリフ。筆者はこれが朝ドラにも当てはまると思っている。いや、朝ドラの作り手がそう思っているだろうと思っている。
『とと姉ちゃん』(2016年度前期)の制作統括・落合将さんは、拙著『みんなの朝ドラ』で取材したとき「人生は、恋愛と仕事の両輪だと思いますので」と言っていた。
『ばけばけ』も「スキップ」とうたいつつ、今週は「恋」のお話がはじまりそうだ。
ヘブンに恋する娘リヨ(北香那)が登場。彼女はいきなりトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)をライバル視する。リヨは島根県知事・江藤(佐野史郎)の娘である。なかなか手ごわそうだ。
順を追って見ていこう。
スキップの練習をはじめて1カ月ほどが経っても、トキは相変わらずうまくならない。花田旅館で「スキップもどき」を披露していると、ツル(池谷のぶえ)はわたしはできるがやらないという、なぞの自己主張。
そこへ梶谷(岩崎う大)がとくダネを求めてくる。
トキは、ヘブンクイズで知り得たにわか情報(ヘブンは実はギリシャ生まれとか、アメリカでレストランをやっていたとか)をたれこむが「なにひとつ面白みがない」と梶谷はあっさり却下する。
彼が求めているのは、色恋沙汰とかそういう派手なもの。
昔の新聞っていまの週刊誌みたいなものなのだろうか。







