リヨの恋を邪魔する錦織

 夕方、トキはヘブン宅に戻ると、ヘブンがいない。

 外から「しじみさん」と呼ぶ声がする。

 ヘブンはトキの姿がふいに見えなくなったことを心配して、血相を変えて探していた。

 つきあわされた錦織(吉沢亮)が、ヘブンが怒ったのでトキがいやになって出ていったのかと心配していたと事情を話す。

 トキは錦織にリヨと恋占いに行っていたと報告。

 トキ「(恋が)成就……しそうでした」
 錦織「オーマイガー」

 ランデブーに行く予定も進んでいると聞いて錦織はいら立ち、その邪魔をしようと考える。

 吉沢亮は「ランデブー」の発音がひじょうにいい。

 ランデブーの場所をリヨは秘密にしていたが、ヘブンが英語の授業で例の、自分の気持ちを英語で語って生徒たちに聞き取りをさせるやり方で、すっかり予定を話してしまう。

 よし! と錦織はガッツポーズ。

 日程は今度の日曜。松江の名所を案内してもらう。待ち合わせは島根県庁の前。

 ヘブンのお気持ち聞き書き授業が、こんなふうに活用されるとは。

 ふじきみつ彦脚本は、同じ言葉やモチーフを何度も使うのが特徴。お笑いの世界ではこれを「天丼(てんどん)」と呼び、ポピュラーな手法ではある。同じことを繰り返すことで笑いを増幅させる。二の矢、三の矢のようなものだ。ふじきの場合、これがかなりねちっこい。

 リヨに松江案内をしてもらうというヘブンに、トキは「ああええですね。明日は天気もよいでしょうし、うってつけだと思います」というセリフを何度も繰り返す。

 これも以前ツル(池谷のぶえ)がやっていた(第33回。「いや~それにしてもおトキちゃんよう働いてくれるけん助かるわあ。ヘブン先生を一目見ようって人がひっきりなしに来られるけんもう大忙しで……」と何度も繰り返していた)

 錦織の合図で、あらかじめこれを言うように決めていたことを、アレンジすることなく、ひたすら繰り返しているという体(てい)で、機械的な言い方になっている。

 錦織とトキの連携がおもしろい。

 ランデブーの前にリヨがランデブーにお弁当をつくりたいからと、ヘブンの好物を聞きに来た。

 錦織はヘブンの嫌いなものをわざと教える。

「ああええですね明日は天気もええでしょうし、うってつけだと思います」

 トキはその場ではそう言うしかないが、ランデブーの当日、こっそりヘブンに、お弁当を開けるなと絵手紙を書く。

 地獄のランデブーの幕開けとなるか?

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