恋するおじいちゃん役にキュン!小日向文世演じる「ラストサムライ」が愛らしすぎる〈ばけばけ第44回〉

「恋をするのに年齢は関係ありません」

『ばけばけ』第1週第5回でトキが恋占いをしたとき、果てしなく長い時間をかけて舟が池の遠くで沈んでいる。
話を44回に戻そう。複雑な気持ちを抱くトキの傍らで、聞いたような声が。

 勘右衛門(小日向文世)だった。

 勘右衛門が占いをやっていたのだ。彼の舟は近くで沈んだ。

 照れる勘右衛門にリヨは「恋をするのに年齢は関係ありません」と応援。彼女も40歳のヘブンに恋をしているからだ。

 複雑な顔をしながら、一応応援するトキに勘右衛門は「司之介(岡部たかし)には言わないでくれ」と釘を刺す。相手は近所の子どもたちの祖母・タツ(朝加真由美)である。

 恥ずかしそうに笑う勘右衛門。小日向文世は恋するおじいちゃん役がハマって見える。

 小日向は、番組広報が発表している公式コメントによれば、勘右衛門というおじいちゃん役についてこのように語っていた。

「朝ドラ『まれ』への出演から、もう10年がたったんですよね。久しぶりに声をかけていただいて率直にうれしかったですし、『おじいちゃん役で』とお話が来たこともうれしかったです。諸先輩方でおじいちゃん役ができる人がたくさんいる中で、勘右衛門さんというおじいちゃん役をいただけたことが、とても光栄でした」

「勘右衛門は、武士の時代を終えて、まだ武士の格というものにこだわっています。その中で、おトキを『おじょ』と呼び、本当にかわいがっています。

 勘右衛門の魅力は、喜怒哀楽を表に全部出してくるところだと思っています。うまい具合に話を合わせるとか、大人として少し控えようと考えるようなことはなく、思ったことを全部口に出しているような人です。僕は、『ラストサムライ』とは、もっと生真面目で無口な人なのかと思っていたんですけれど、どんどんおっちょこちょいのおじいちゃんのようなシーンも出て来ます(笑)。

 時代の流れからはちょっとずれちゃっているんだけど、僕個人としては、切ないけれども必死に頑張っている姿も、愛らしく感じています」

「大人として少し控えようと考えるようなことはなく、思ったことを全部口に出しているような人」とか「おっちょこちょい」とかまさに。そういう人物を愛らしく見せてくれるのが小日向文世という俳優なのだと思う。