《前立腺がん》
 2013年にBritish Journal of Cancer という雑誌に報告された論文によると、1万8000人以上の日本人(40~79歳)を対象とした研究で、コーヒーの摂取量と前立腺がんの発症率との関係を調査した結果、コーヒーを飲む量が多いほど、前立腺がんのリスクを低下させる効果が確認されました。

 コーヒーを飲まない人に比べて、たまに飲む人では19%、1日に1~2杯飲む人では27%、1日に3杯以上飲む人では37%も前立腺がんのリスクが低下していました。

 以上の結果から、コーヒーを1日3杯以上飲むことで、肝臓がん、子宮体がん、前立腺がんなどのリスクが、30~50%も低下するということが分かりました。

 ちなみに、これは海外での研究結果ですが、コーヒーのがん予防効果は、ブラックコーヒーだけでなく砂糖入りでもよいということです。ただ砂糖入りの場合、飲みすぎるとがんの予防効果はなくなってしまいます。

 また、ドリップコーヒーだけでなく、インスタントコーヒーでも予防効果があるということです。カフェインについては、カフェイン入りでもカフェインなしでも、同じようにがんのリスクが低下していました。

 ただし、これはがんの予防という観点からのお話ですので、コーヒーが嫌いな人や、飲むと胸焼けがするなどの異常がでる人には無理におすすめしません。また、夕方以降に飲むとカフェインの影響で眠れなくなる可能性もありますのでご注意ください。

生存率の低い胆道がんのリスクが
緑茶を飲むことで33%減

 コーヒーと同様に、ティータイムにおすすめの飲み物は、緑茶です。

 緑茶に含まれるカテキン(ポリフェノールの一種)には、抗酸化作用や抗炎症作用があり、生存率の低い胆道がんのリスクを下げるという報告があります。

 胆道がんとは、胆汁(肝臓でつくられる消化液の一種)が流れる通路(胆管や胆のう)にできるがんで、転移しやすく治療が効きにくいことで知られています。

 2016年にCancer Science という雑誌に報告された論文によると、国立がん研究センターによる研究で、45~74歳までのおよそ9万人の日本人を対象としたアンケート調査を行い、1日にどのくらいコーヒーと緑茶を飲むかを調べました。