緑茶に関しては、さらに詳しく、緑茶全体、煎茶、番茶、玄米茶に分類しました。そして、胆道がんの発症リスクとの関係を調査しました。

 調査の結果、1日に緑茶をたくさん(720ml超)飲む人では、あまり飲まない人(120ml以下)に比べて、胆道がんのリスクが33%も低くなっていました。

 ちなみに、お茶の量については、湯飲み1杯がおよそ120mlとすると、720ml超は6杯超になります。

 また、煎茶と番茶、玄米茶を別々に解析したところ、胆道がんのリスクが減る傾向にあったのは、煎茶でした。一方で、コーヒーの摂取量と胆道がんのリスクとの間に関係はありませんでした。

 以上の結果から、緑茶(煎茶)をたくさん飲むことで、胆道がんのリスクを減らすことができる可能性があるといえます。

 また、緑茶のがん予防効果は、胆道がんに限らず、他の臓器のがんでも報告されています。

 たとえば、日本人を対象とした別の研究では、緑茶をたくさん飲むことで、急性骨髄性白血病など血液がんのリスクが最大で37%も低下するという結果や、緑茶を1日5杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、腎臓がんになるリスクが55%も低下していたという結果が報告されています。

 このように、緑茶には、色々ながんの予防効果が期待できるというエビデンスが増えてきています。1日に6杯以上飲むのはなかなか大変かもしれませんが、たとえば和食や和菓子を食べるときは、積極的に飲むことをおすすめします。

 ちなみに、紅茶に関しては、がんの予防効果についてははっきりしていませんが、イギリスの国民およそ50万人を対象とした研究によると、1日に2杯以上の紅茶を飲む人は、飲まない人と比較して、あらゆる疾患による死亡リスクがおよそ10%低いことが報告されています。

 ですので、お茶は種類を問わず健康にいいということがいえます。