写真:加藤茶,高木ブー,ザ・ドリフターズ並んでポーズを決める加藤茶(左)と高木ブー(右) Photo:SANKEI

「ザ・ドリフターズ」は時代を越えて愛されるコメディグループだ。『復活!!8時だョ!全員集合』(TBS系)、『ドリフの祭典!爆笑ドリビア大放出SP』『ドリフに大挑戦』(フジテレビ系)など、今なおテレビで大型特番が組まれるほど、その人気は衰えを知らない。ドリフはなぜ長く愛され続けているのか。ドリフの研究者でライター・編集者である桜井顔一氏に、その魅力を語ってもらった。(ライター 橋本未来)

ドリフはなぜ長く愛されるのか
メンバーの奇跡と名作コントの数々

 数々のお笑いタレントの中で、「ザ・ドリフターズ」ほど長きにわたり愛されるグループは他にいないだろう。最も分かりやすい指標となるのが、群雄割拠のテレビ業界において、看板番組がいずれも長寿である点だ。『8時だョ!全員集合』(TBS系列)が16年間、『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系列)は21年間も放送された。ドリフを研究する、ライター・編集者の桜井顔一氏は、長年愛される理由として「メンバーのコントラスト」を挙げる。

「まず大前提として、ドリフの魅力はやっぱり『面白い』の一言に尽きるんですよね。今も語り継がれる名作コントを、あれほど多く生み出したグループは他にいない。(当時のテレビ局は)予算が多かった背景もあるんでしょうけど、セットが大掛かりで小道具もしっかりしてるから目を惹いて飽きさせないんです」

「さらに、あのメンバーがそろったのは、もはや奇跡。加藤茶と志村けんのコンビネーションの面白さは言うまでもなく、高木ブーや仲本工事の個性も強い。極めつけは、無骨で険しい表情が特徴の、いかりや長介です。背が高くて内股。その風貌で母親役をやったりするんだから、それだけでもうおかしいんですよ。今の価値観だと放送できないようなコントも、可愛げがあるから許されていたと思います」

今の価値観では放送できない
コンプラ違反な「禁断のネタ」とは

 確かにドリフのコントを振り返ると、貧富の差やルッキズムに関するネタも多い。桜井氏は今でも忘れられない「禁断のネタ」があるという。