あなたの職場に、雑談用のスペースはあるだろうか? 「そんなの生産性を下げるだけ」「ただの無駄話の場所」と切り捨てる人もいるかもしれない。しかし、いま多くの企業があえて“雑談が生まれる空間”を設計し直し始めている。では、その理由と効果とは? それを教えてくれるのが、400以上のチームを見た専門家が「仲間と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「あらゆる仕事仲間との関係性が良くなる」と話題の一冊から、その内容を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「開放された場所」のメリット
社内や地域の開放された空間や、サードプレイス。
それらを活用する大きなメリットが1つあります。
偶然の出会いの創出です。
「偶然の出会い」がもたらす様々なメリット
社外の人も活用したり訪れたりできる場で活動していると、こんな偶然が起こることがあります。
「チームやプロジェクトのテーマに関心を持った社内の人と、たまたま出会う」
「意欲を持った人と、たまたま出会う」
「その困りごとを解決した経験のある社外の人と、たまたま出会う」
「能力を持った人を紹介してくれる仲介者と、たまたま出会う」
「解決のヒントとなりそうな記事や書籍と、たまたま出会う」
「自社の製品やサービス、自分たちの地域の意外な活用方法や魅力をたまたま知る」
いずれも偶然の出会いととらえることができるでしょう。
こうして偶然出会った人や情報が、チームやプロジェクトにとって大きな力となることも少なくありません。
また、偶然の出会いを通じて、意外な発見を楽しむ感性や、それを自分や相手のミッションに結び付けて相互に「自分ごと化」する能力も高めることができます。
「偶然の出会い」が生まれる“場”をつくろう
偶然とは、あくまで想定外の産物であり、完全に意図して発生させることはできません。
しかし、偶然の出会いが生まれやすい環境を創ることは可能です。
偶然の出会いが起こりやすい仕組み、仕掛けをデザインして運営する営みを、私は偶然設計と呼んでいます。
たとえば自社内で偶然の出会いを創出するなら、次のような取り組みが考えられるでしょう。
・オフィスに書棚とソファを設置し、自由に本を手に取って読めるようにする
・社員食堂をおしゃれに改装し、パソコン作業や、1on1ミーティング、社内イベントなどをしやすい空間にする
いずれも、社員同士の偶然の出会いを誘発する仕掛けです。
休憩しに立ち寄った人、自席以外の場所で作業をしに来た人、通りすがりの人などとの偶然の出会いや対話が生まれ、思わぬ共創活動が生まれることがあります。
挨拶をし合う関係になっただけでも前進です。
相談しやすい知人が社内に増えますから。
(本稿は、他者との仕事を円滑にするコツをまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)





