――そうなると、第2志望校に進んでも大きな成長を遂げる子どもはたくさんいるということでしょうか。

　そうです。例を挙げると、第1志望校が残念で栄東に進学した子もいましたが、この子たちの中には6年後に東京大学や国公立大学の医学部などに合格する子もいます。

　この子たちの一部には、もし都内の伝統校に行っていたとしたら、東京大学に合格する力が付いたかは微妙な子もいます。栄東はしっかりと勉強させますし、学校行事やクラブ活動も盛んで学校好きな子も多いです。本人も中学入試で良いパフォーマンスを発揮できなくて悔しいから、大学受験は頑張ろうって気になるんですね。

　人間的に大きく成長するかどうかはさておき、大学入試に限って言えば、最近出てきた学校というのは、きちんと勉強を管理して、先生方も大学入試を意識して6年間のカリキュラムを組みます。それと比べると難関校の場合は基本、担当の先生にすべてお任せで、学校としてのシラバスもないことがあります。生徒が落ちこぼれていてもあまり面倒をみない学校も少なからずある。 子どもたちも解放感に満ちているんですよ（笑）。

　それから見ると、本来であれば中学入試でもうちょっと偏差値が高い学校に受かるはずだったのにご縁がなかったって場合は、やっぱり頑張りますからね。もっと言えば、中学入試で合格しなくても、公立中学校に行って高校受験をやって大学受験。それでリベンジする子だって大勢いますからね。何が幸いするかなんて分からないものです。

　でも、そのためには結果は結果として受け止めたうえで、親子揃って気持ちを切り替えて、進学した学校で楽しむということ、その学校のいいところを見つけてあげるということが大事だと思いますよ。 親が引きずり過ぎるのは百害あって一利なしです。

――今のお話を聞いていたら、管理型の学校のほうがいいような気がしてきましたが、そういうことがあったりしますか？

　いや、それは何とも言えないですよね。大学附属校の自由でのびやかな雰囲気の中でパフォーマンスを発揮する子もいます。自主性を貴ぶ学校で大きく成長する子も多いです。