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「何度覚えてもすぐ忘れる」「人の名前が出てこない」そんな悩みを抱える人は多い。だが、精神科医・和田秀樹氏によれば、記憶を定着させる最大のコツは“努力”ではなく“感情”にあるという。「覚えよう」と力むほど脳はストレスを感じ、逆に記憶が薄れる。むしろ、好きなことを楽しみながら触れたり、人に話したりすることで、記憶は自然と残っていくのだ。年齢を重ねても「忘れない脳」でいるための和田流・記憶術に迫る。※本稿は、精神科医の和田秀樹『70歳からの老けないボケない記憶術』(ワン・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。
キレて暴走しまくる
シルバーモンスター
終生、メンタルヘルスを良好に保つことは、人生100年時代には重要なテーマになってきます。とくに感情の老化や劣化については、これを十分に理解し、みなさんの生き方に役立ててほしいと思います。
まず取り上げるのは、感情のコントロールとキレやすさの問題です。
近頃ネットニュースなどを見ていると、「シルバーモンスター」という語にしばしば遭遇します。銀色怪物。なんともすさまじい形容ですが、言い得て妙と納得する人も多いでしょう。
このシルバーモンスターは、キレまくりの暴走型高齢者を指しますが、周囲に恐怖心すら抱かせるのは、どうも女性よりも男性高齢者のほうが多い気がします。
飲食店や銀行、病院などで、スタッフに食ってかかる老人を目にしたことは、みなさんもあるでしょう。居酒屋などでお酒が入った状態なら、酔いと怒りの相乗効果ということも考えられます。しかし、近頃は素面の場面で大変なことになっているのです。
こうしたモンスターに共通するのは、ほんの些細なことがきっかけで、いきなり感情が爆発してしまうことです。そしていったん火がついてしまったら人の話など耳に入らず、いくらなだめても無駄ということです。







