40歳というと、社会的にはある程度の責任と裁量権を持つと同時に、中間管理職として若手の上に立つという立場に置かれる人が増える頃です。
仕事や職場にも慣れ、それなりの発言権もあることでしょう。こういう状況に置かれると、人は次第に謙虚さを失い、それまでは理性でコントロールしていた感情のタガが外れたかのように噴出してしまうことも起こりがちです。とくに自分に対抗できないような立場の弱い人に対しては、その頻度が高くなります。
『70歳からの老けないボケない記憶術』(和田秀樹、ワン・パブリッシング)
これがひどくなれば、職場におけるパワーハラスメントとして糾弾されることになります。それは当然、許されることではありません。
しかし一方で、そうした年代特有の背景として、前頭葉の萎縮など機能低下が始まっていることを、まず本人が理解すべきです。そのうえで、自分の感情状態を知り、相手に対する共感的態度を意識することができれば、この国に渦巻くパワハラ問題も少しは改善の方向に向かうのではないか。そんなふうに思います。
中年期でさえすでにそのような状況に陥りがちなのですから、人生後半戦においては、EQ5項目をしっかりと胸に刻んでほしいと思います。
これは人間社会を生きていくうえでの鉄則です。前頭葉が加齢の影響を受けるとしても、本人の意識次第でずいぶんと差が出ることは間違いありません。







