⑤ イデオロギー・倫理観の多様性
SNS時代で顕著になったものがさまざまにあります。
・ ハラスメントへの感度
・ 公平性のとらえ方
・ プライバシーの感覚
・ 社会問題への距離感
ここは世代ごとに大きな“ズレ”が生まれやすいのではないでしょうか。
⑥ 仕事への“境界線”の価値観
・ オフとオンを分けたい
・ 仕事も趣味も同じ軸で生きたい
・ 仕事に人生を重ねたい
・ 生活の安定だけで十分
仕事と人生の距離感、ワークライフバランスの“感覚”が人によって全然違います。
⑦ 自己表現の多様性(アイデンティティの多元化)
・ SNSで自己表現することを大事にする人
・ プライベートを完全に隠す人
・ 「自分らしさ」を強く求める人
・ 組織への同一化を重んじる人
ドラッカーの時代には存在しなかった「複数の自分」を持つ人が増えているのではないでしょうか。
これらの価値観は、いずれも優劣ではなく“違い”にすぎません。しかし、この違いが積み重なると、職場に見えない摩擦が生まれやすくなります。
今の時代の多様性は「基準そのものがバラバラ」
吉田:以前は価値観が違っても、「会社の常識」がひとつの統一基準でしたが、今は、一人ひとりが“自分の常識”を持って生きている時代。
だからこそ、価値観を揃えるのではなく、ミッションという“共通の灯台”を持つこと。
これだけが、違う価値観を一つの方向に向かわせる唯一の方法であるといえます。
ドラッカーは『明日を支配するもの』でこういっています。
組織とまったく同じ価値観である必要はないのです。しかし共存できることが大切です。
その“共存”は一人ひとりが自分に問いかけてみて、「ここなら大丈夫」と心の奥にフィットするかどうかの感性がとても大切になるのではないかと思います。
リーダーは組織の価値観を一人ひとりに共有することが必要ですし、また何よりもその問いかけに寄り添う存在であることが必要なのではないでしょうか。
価値観の多様化によって、ときにはリーダー自身がメンバーの価値観に驚くこともあるかもしれませんが、リーダーの視点を常日頃から広くもっておくことで、多様性への受容力もまたアップしていけると感じます。








