「会社のルールでダメだから…」と、なんでも否定してくる人にモヤモヤする。
そんなあなたにお薦めしたいのが、400以上のチームを見た専門家が「仲間と協力して大きな成果を出せる人の特徴」をまとめた『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)という本だ。「チームで仕事をするうえで、大事なことを教えてくれる」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「会社のルールでダメだから…」となんでも否定してくる人に言ってやりたい、“ある言葉”Photo: Adobe Stock

そのルールに、「意味」はあるのか?

 新しいことを提案しようとすると、決まってこう言う人がいます。

「それ、会社のルールでダメなんだよね」
「うちは前例主義だから無理だと思うよ」

 もちろん、ルールには意味があります。
 しかし現実には、その“意味”が忘れられたまま残っているケースが驚くほど多いものです。

『チームプレーの天才』という本でも、このように指定されています。

大きな企業や組織において、『それはルールだから』などの理由で新たな試みが却下され、必要と見なされないことは少なくない。しかし、そのルールがどういった経緯でなぜ決定したのかを調べてみると、明確な根拠や意図が見当たらず、習慣的に続いているだけというケースも多い。
――チームプレーの天才』(153ページ)より

 この一節が示すのは、「ルールそのものに意味がない場合すらある」という、少し残酷な現実です。

 実際、大規模な組織では、

 ・かつての事情を引きずったままのルール
 ・根拠が失われた慣習
 ・「前例がない」の一点張りで止まる意思決定

 こうした“惰性”が積み重なり、新しい取り組みが生まれる前に潰されてしまう。
「ルールだから」という一言が、新しい挑戦を封じる“呪文”のように機能していたりします。

ルールに立ち向かっても、疲れるだけ

 さらに『チームプレーの天才』では、こうも書いてあります。

こうした環境において、新たな取り組みの正当性を組織全体に納得させることは、非常に大きな労力を強いられる。加えて、全員の合意形成を目指すこと自体が非現実的であり、何より、そのリソースがもったいない
――チームプレーの天才』(153ページ)より

 その通りですよね。
「ルールだからダメ」と一点張りの相手にまともに立ち向かおうとすると、膨大なエネルギーを奪われます

ルールの及ばない「小さいところ」から始めてみる

 では、どうすればいいのか。
 同書では、このように提示されています。

大きな変化を起こすには、小さな成功体験の積み重ねが必要であり、それが育つ場のデザインが大切である。
――チームプレーの天才』(153ページ)より

 組織全体を説得しようとするよりも、小さな単位を構築し、小さく始めて、確実に前進する
 これが現実的なアプローチだと説いています。

「ルールを徹底させようとする人」に言い放ちたいこと

 そして最後には、そういったルールを遵守し、徹底させようとしてくる立場の人たちに向けて、こう言い放ちます。

経営層や管理職の立場にある者にとって重要なのは、こうした共創の芽を摘むことのない制度を設計することである。組織が人を信頼して任せるということは、放置でも丸投げでもなく、適切な支援と伴走を含んだ構造でなければならない。
――チームプレーの天才』(153ページ)より

 つまりルールの厳しい組織においては、

 現場の人:無理に立ち向かわず、できることから小さく始めてみる
 経営層や管理職の人:人の可能性を信じ、その試みを支える仕組みを設計する

 ことが必要なのです。

(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)