「デカい仕事をしたい」と言いながら、何もできていない人にモヤモヤする。
そんなあなたにお薦めしたいのが、400以上のチームを見た専門家が「仲間と協力して大きな成果を出せる人の特徴」をまとめた『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)という本だ。「チームで結果を出せるようになる」「人間関係を見直すきっかけになる」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「デカい仕事をしたい」と言っているくせに何もできていない人に伝えてあげたい、“ある言葉”Photo: Adobe Stock

「最初の一歩」から“完璧”にしようとしていませんか?

 何か新しいことを始めたいと思ったとき、人はつい最初の一歩を重く、大きく描きすぎてしまうものです。

「提案するなら、完璧に仕上げないといけない」
「影響力のある人を巻き込まないと意味がない」
「形になっていないアイデアなんて、相手にされない」

 こう考えるほど、動く前に気持ちが萎えていきます。
 とくに大企業や公的機関では、

前例は?」
「リスクは?」
「コンプラは問題ないか?」

 といった視線が日常的に向けられるため、「はじめから、きちんとした形にしないといけない」という錯覚が生まれやすいのです。

着実に前進するために知っておきたい「言葉」

 しかし実は、多くの人が気づいていない事実があります。
 どんなに大きな仕事も、最初に動き出す瞬間は、たいてい「小さな実験」や「小さな出会い」から生まれるということです。

 他者と協力するコツをまとめた『チームプレーの天才』という本に、こう書かれています。

大きな組織や自治体は、規模の大きさゆえに合意形成にも意思決定にも時間がかかります。いつまでたってもコトが起こらないと、関係者の関心も徐々に薄れていきます。まずは小規模で、小さくてもいいから目に見えるモノやコトを創ってしまう方が得策です。
――チームプレーの天才』(151ページ)より

 大きなプロジェクトも、最初は「仮置き」でしかありません。
 完璧に整った企画書から始まることはほとんどなく、

・誰かがふとやった小さな試行
・少人数での気軽な集まり
・“まずやってみた”という軽いアクション

 といった、ほとんど見えないぐらい小さな行動から始まります。

 つまり阻んでいるのは、能力でも権限でもなく、
最初の一歩を、大きく・完璧にしようとしすぎている自分自身」なのです。

まずは「小さく」はじめてみよう

『チームプレーの天才』には、こうも書かれています。

新たな場創りなどを目論む場合、小さな規模や少ない人数で、まずは小さく実践してみるのも一考です。
――チームプレーの天才』(150ページ)より

「大きく始める必要はない」という事実に気づけば、これまで動けなかった企画が、急に軽く感じられるはずです。

「完成していない企画でもいい」
「小さな場所で十分」
「“興味を持った人に見せる”だけで仲間は増える」

 まずは自分が動かせる範囲で「仮の現場」をつくり、そこを“見せる”というアクションを起点にしてみてください。
 小さな行動でも、続けることで“見える成果”が生まれます。
 その成果が、周囲への発信になり、「一緒にやりたい」という人が自然と集まってきます。
 そうして仲間が集まることで、さらに大きな結果を出せるようになります。

 最初の一歩が小さいほど、柔軟に、素早く動けます。
 大きな企画は、最初から大きくなくていい。
 むしろ、小さな行動を起こすことこそ、一番の近道なのです。

(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)