一方のソウル大学統一平和研究院のものでは36.9%(2024年)だった。調査開始の2007年には63.8%だった。「とても必要」とした回答者は2007年の34.4%から2024年には10.9%と下げ幅が大きかった。

 いずれも年々下降を続けている特徴がある。例外は2018年だ。これは当時の南北の対話ムードが関係している。統一研究院70.7%、ソウル大学統一平和研究院59.7%と高い数値を記録した。

 その後、南北関係が低調になるにつれて数値は下がっている。雰囲気に左右される傾向があるものの、全体のトレンドは一貫している。

若者世代になると
「統一」支持は過半数を割る

 統一への冷淡な反応は若者になるほど多くなる。

 2024年の「統一が必要だ」という回答の詳細を年齢別に見ると統一研究院では30代が40.7%と最も低い半面、60代以上が66.3%と最も高かった。20代は45.2%だった。

 また、2014年~24年までの調査を世代別に分類した結果も発表しており、これによると、「ミレニアル世代(1991年以降生まれ)」が全世代の中で唯一「統一が必要」とした回答者が半数に満たなかった。

 ソウル大学統一平和研究院では「統一が必要だ」と回答した割合は19~29歳では22.4%、30代では23.9%だった。60代以上の49.0%の半分以下という結果である。なお、いずれの調査も「保守・中道・進歩」といった政治的な性向による大きな差はなかった。

いまの平和が維持されるなら
統一なんて必要ない?

 もう少し世論調査を見ていく。次は「南北の共存の仕方」を問う統一研究院での質問を2つ紹介したい。

「南北韓が戦争なく平和的に共存できるならば統一は必要ない」では同意63.2%、普通19.6%、非同意17.3%だった。

 統一より平和共存を望む回答者の割合は、設問が新たに導入された2016年の43.1%から一貫して上昇し続けている点も見逃せない。2024年の結果では、30代が68.0%で最も高く、60代以上が48.6%と最も低かった。

 同院は2023年の報告書で「平和的共存に対する認識は南北関係の状態と関係なく増加している」とし、さらに「統一を望まないからといって、平和的共存を望まないわけではない」とし、「統一」と「平和的共存」がゼロサムの関係ではないと指摘している。