【韓国の大統領選】反日&左派の李在明氏が本命で日韓関係はどうなる?現地で見た「8年前との違い」(左から右へ)6月3日に迫った大統領選挙のテレビ討論会を前に、ポーズをとる韓国大統領候補の金文洙(国民の力党)、権英國(民主労働党)、李俊錫(改革新党)、李在明(民主党) Photo:Chung Sung-Jun/gettyimages

混乱の半年を経て迎える大統領選、主な候補者は3人

 6月3日に投票が行われる韓国大統領選挙は、5月12日に候補者が正式に出揃い、本格的な選挙戦へと突入した。昨年12月の尹錫悦大統領(当時)の戒厳令に端を発した韓国の政局の混乱は約半年にわたって続き、尹氏は弾劾を経て大統領職を罷免された。

 一時は、尹氏の弾劾・拘束に反対する保守派の集会が活発化し、尹氏が大統領に復帰できるのではないかという兆しも見られたが、それが叶うことはなかった。今後の韓国の政局において最初の大きな山場は、6月の大統領選挙になるだろう。

 今回の大統領選挙には、無所属を含め6名が立候補している。そのうち、左派系野党の「共に民主党」党首・李在明(イ・ジェミョン)氏、右派系与党「国民の力」から出馬の金文洙(キム・ムンス)氏、中道系「改革新党」の党首・李俊錫(イ・ジュンソク)氏による事実上3名の争いとなっている。

保守派の分裂、与党「国民の力」は苦戦の兆し

 与党「国民の力」は尹氏が大統領の座を追われたことにより、まさに崖っぷちという状況にある。本来、強力な候補を立てて起死回生を狙うべきところだが、実際には候補者選びでも党内で意見が対立し、候補者の確定がぎりぎりまで決まらないなど足並みの乱れを露呈した。

 金氏は尹政権で雇用労働部の長官を歴任。若い頃は学生・労働運動に頭角を現し、政治畑では一貫して右派を貫き、ベテラン政治家としての地位を確立している。しかし、既に73歳という年齢や、知名度で李在明氏に水をあけられていることは否めない。