「AIにクリエイティブな作業なんて無理でしょ」
そう考えている人にお薦めしたいのが、書籍『AIを使って考えるための全技術』。グーグル、マイクロソフト、NTTドコモ、富士通、KDDIなどを含む600社以上、のべ2万人以上に思考・発想の研修をしてきた石井力重氏が、そのノウハウをAIで誰でも実践できる方法をまとめた本だ。思考・発想のベストセラー『考具』著者の加藤昌治氏も全面監修として協力し、「これを使えば誰でも“考える”ことの天才になれる」と太鼓判を押した同書から、AIの便利な使い方を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「AIに創造的な作業はできない」は本当か?
「AIは効率化ツールにすぎない。創造的な仕事は人間の領域だろう」
そう思ってしまうのは、創造力の“本当の意味”を知らないからです。
じつは創造力はセンスではなく、「鍛えられる技術」です。
そしてその行為と、AIは驚くほど相性がいいのです。
この事実に気づいている人は多くありません。
創造は「ひらめき」ではなく「連想の積み重ね」で生まれる
創造的なアウトプットが生まれる瞬間には、「何か」と「何か」を結びつける“連想”が必ず存在します。
『AIを使って考えるための全技術』という本には、こう書いてあります。
想像力は、その中核に連想力がある。
――『AIを使って考えるための全技術』(104ページ)より
連想力を鍛えれば、想像力が豊かになり、その先に創造力が育つ。
これは努力で開ける領域です。
「AIに創造的作業なんて無理」と決めつける人は、この構造を理解していません。
逆に、頭のいい人はここを押さえているからこそ、AIを“創造力を引き出すための道具”として活用しているのです。
頭のいい人が密かに使っている「連想の四法則」
創造力は「思いつきのセンス」ではなく、技法として習得できます。
なかでも有名なのが、アレックス・オズボーンの「連想の四法則」です。
類似:対象と“似ている”ものはなんだろう?
対照:対象と“何かしらが反対である”ものはなんだろう?
原因結果:対象が“生み出す”もの、対象を”生み出す”ものはなんだろう?
――『AIを使って考えるための全技術』(105ページ)より
この4つの問いを繰り返すことで、連想力に“再現性”が生まれます。
AIを使えば誰でも「連想」ができる
この“再現性のある連想”こそが、AIと相性抜群なのです。
『AIを使って考えるための全技術』では、「連想の四法則」を使って連想する作業をAIにアシストしてもらう「関連する要素」という使い方が紹介されています。
そのプロンプト(AIへの指示文)がこちら。
〈課題や目的を記入〉
この問題から連想できる単語を30個あげ、次に関連が薄くてもいいので連想できる単語を100個あげてください。
創造的な人は、生まれつき頭が柔らかいのではなく、連想のタネを多く持っているだけです。
あらゆる情報を網羅しているAIをうまく使えば、その「連想のタネ」を誰でもいくらでも引き出すことができます。
創造力を“才能”だと誤解している人は、AIを拒む。
創造力を“技術”だと理解している人は、AIを使いこなす。
この差が、これからの時代では致命的な差になります。
技法「関連する要素」、ぜひ活用してみてください。
(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』に関連したオリジナル記事です。書籍ではAIを使って思考の質を高める56の方法を紹介しています)








