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いま、日本の美術大学と大学院に中国人が大量に押しかけている。しかし、その多くは勉強がしたくて日本に渡ってきたわけではない。彼らは何を求めて日本の学校を目指しているのか?中国人留学生3人に直撃し、その本音に迫った。※本稿は、日本経済新聞取材班『ニッポン華僑100万人時代 新中国勢力の台頭で激変する社会』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。登場する取材協力者の肩書きや年齢は取材当時のものです。
競争社会から脱落した中国人が
大学予備校に殺到している!?
東京・新大久保にある中国人向けの大学受験予備校「行知学園」
当初こそ生徒は10人ほどだった。だが、今や同コースで学ぶ中国人留学生は約200人に及ぶ。10年で20倍にも膨らんだ計算だ。
学校自体も2008年、元・中国人留学生によって設立され、急成長を遂げた。
中国の経済成長と、日本の外国人受け入れ緩和策の波に乗る形で、設立当初24人だった生徒数は、2019年にはピークの3716人にまで達した。
3年余り続いた新型コロナのあおりを受け、生徒数は一時減少したが、足元では再び留学生が増加し、日本最大の中国人留学生向け大学予備校として、現在その地位を固めている。
最近の中国人留学生の傾向について、行知学園の男性担当者にも、内情を聞いてみた。
「中国では今、厳しい競争社会に巻き込まれることを意味する『巻』という言葉が社会現象になっています。人口が多すぎて、競争社会に本当に嫌気が差しているのです。今のままでは、中国では自分の将来が描けないため、日本など海外に留学に出て可能性を広げたいと考える学生が増えています」とのことだった。







