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“教育の街”といわれる東京・文京区の公立小学校や進学塾に、中国人児童が続々と流れ込んでいる。東大合格を最終目標に据えた教育熱は日本人よりもはるかに高く、学校環境はすでに変わり始めている。教育の現場で何が起きているのか?※本稿は、日本経済新聞取材班『ニッポン華僑100万人時代 新中国勢力の台頭で激変する社会』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。登場する取材協力者の肩書きや年齢は取材当時のものです。
中国のSNSで飛び交う
文京区の「3S1K」とは?
子供に日本の教育を受けさせたいと願う、中国人が増えている。そのためには、家族で日本に移住することもいとわない。「教育移住」の連鎖が今、止まらない。
「みなさん、東京都文京区の名門小学校『3S1K』は、ご存じでしょうか?子供を3S1Kに入学させるため、今の古い家を売って、東京の文京区に引っ越す家庭も少なくありませんよ」――。
「文京区には、あの東京大学があり、将来、入学させたい親御さんたちが住んでいます」――。
中国で月間3億人が利用する、人気SNS「小紅書(RED)」。そのSNS上には、こんな日本への移住、教育関連情報が当たり前のように飛び交う。
話題の名門小学校「3S1K」とは、文京区にある誠之、千駄木、昭和、窪町の4つの公立小学校を指し、教育熱心な中国人の間で高い注目を集める。
実際、3S1Kへの入学や、良好な教育環境などを求め、文京区に移り住む外国人家庭が近年増加している。
小学生の数でみると、中国籍を中心に2024年には2019年比で2.4倍と急増し、467人に膨らんだ。同区に住む中国人全体でみても、2024年時点で、2019年比1.5倍の8169人に増えている。







