普通の公立小学校が
中国人を指導するのは大変
こうした現状を文京区の学校側は、どう受け止めているのか。東京ドームにほど近い文京区教育委員会を訪ねると、良い印象を持ってはいないようだった。
「(中国の)SNS上で話題が先行してしまっており、(3S1Kの)話が実態以上にどんどん大きくなってしまっています」
文京区教育委員会の高橋拓也統括指導主事も、戸惑いを隠せない。
「(3S1Kの公立小学校を)『名門校』という形で、プラスに評価してもらえるのは良いことなのですが、(3S1Kと呼ばれる)4校はいずれも公立の小学校です。使う教科書や机も、区内の他の小学校とすべて同じです。教員も当然、定期異動をします。だから、区内なら、どこの小学校で学んでも(差はなく)同じ教育環境で学べます」と話す。
それでも中国人の間で3S1Kの人気は衰えない。結果、日本語が十分に理解できない中国籍の児童が文京区で着実に増えており、教育現場では日中の翻訳機や日本語指導協力員を配置し、対応を取る状況にある。
ただ、数には限りがある。現場の教師からは「正直、どうやってこれ以上、(中国人児童と)接していけば良いのか分からない」といった本音も漏れ聞こえてくる。
文京区に住み、子供が区内の公立小学校に通う、40代のある男性も困惑気味だ。
「3S1Kの中でも、誠之小学校が最も中国人に人気があるようで、その影響から周辺に住む日本人が逆に誠之小学校への通学を避けるといった動きもあると聞きます」と話す。
さらに「私の子供が通う小学校にも中国人児童が以前、同じクラスにいましたが、日本語があまりに分からなかったので、サポート役の指導協力員が授業中もつきっきりになって教えており、なんだかとても大変そうでした」と明かした。
実際、中国籍の児童は今、人気の文京区内の公立小学校に、何人在籍しているのだろうか。
高橋氏に聞いたが、「国籍別の児童数は、一切公表していない」とした。文京区教育委員会に対しても改めて、国籍別の児童数が分かる資料の開示を情報公開請求で試みたが、明らかにされることはなかった。







